国鉄が分割民営化し、JR旅客6社・貨物1社になると、各社は他の交通網に対抗すべく色々な対策を行いました。そのうち、民営化後に投入された特急列車は従来の車両と比べ、高速化や快適性の向上などが図られ、それらをアピールするために、特急愛称に「スーパー」を付ける特急が多くなりました。

しかし、近年は様々な理由から特急愛称から「スーパー」を外す特急が多くなり、現在特急の愛称に「スーパー」を冠しているのは、JR西日本の3つの特急と、JR西日本と智頭急行を直通する特急、計4つのみとなってしまいました。

そこで、なぜ全国の特急列車の愛称から「スーパー」の愛称が消えたのか、今回は典型的な2つの理由をわかりやすく解説します。

1.国鉄型車両が引退し、民営化後の車両に揃えられたから

特急愛称に「スーパー」を付ける理由の1つとして、民営化後に投入された車両の特急と、国鉄型車両の特急との差別化がありました。しかし、現在は国鉄型車両が引退した特急も多くなり、それと同時に民営化後に投入された特急車両に統一されたことにより、差別化する目的が薄れたこと、更に投入当時から「スーパー」を冠して登場した特急車両が、老朽化などの理由で次世代型車両への置き換えが進んだことなどもあり「スーパー」を冠する必要が無くなったことが理由の1つです。

国鉄型車両に「スーパー」が付けられた例もあり

2.「わかりやすさ」を重視する時代へと変化したから

先述した理由などで、特急愛称に「スーパー」をつける必要性も無くなり、利用客からしても、なぜ特急愛称に「スーパー」冠しているのかわからなかったり、「スーパー」をつけることによって、全体的に特急愛称が長く全体的に特急愛称が長くなりました。

列車名が長くなることで少し見づらくなる一例

そこで、近年日本国内外からやってくる観光客が増加している(新型コロナ感染拡大前)事も背景に特急愛称から「スーパー」を外すことで、観光客や普段利用している客層などにもわかりやすくする目的もあり、「スーパー」を冠した特急は全国から消えていきました。

3.その他・あとがき

その他にも、JR北海道の特急スーパーとかちの場合、1991年の登場当時は国鉄型車両のリニューアルによる快適性向上により「スーパー」を冠していましたが、その後登場した国鉄型車両よりも速く走行できる車両の投入によって、その列車に「スーパー」の冠をゆずって「スーパー」の意味が変わったり、特急愛称に「スーパー」を冠した最初の特急である、JR九州の特急スーパー有明は、特急有明の大部分の列車で使用されていた、特急ハイパー有明に統一される形で無くなるなど、特殊な形もあります。この他にも様々なパターンがあるので興味のある方は更に調べてほしいと思います。

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