最近S N Sなどでも注目されている「もじ鉄」。
今回はそんな「もじ鉄」の世界をご紹介します。
「もじ鉄」とは?
撮影組は「撮り鉄」、乗車組は「乗り鉄」、模型組は「模型鉄」などと言われます。
「文字鉄」とは文字通り、フォントやロゴ、サインシステムを研究・観察する鉄道ファンの分類となります。
皆さんが普段目にする駅名標を一つ例に取って見ても、鉄道事業者ごとや年代により様々な種類があり、実は奥の深い分野だったりします。
昭和レトロも追い風に?!
代表的なものとしては「国鉄フォント」。
駅名標や行先表示(方向幕)など、どこか柔らかい独特の書体が特徴的です。
しかし国鉄民営化から30年以上が経過し、駅名標やサイン看板などはほとんどが民営化後に設置されたものへと交換が進み、目にする機会も減ってきました。
近年の「昭和レトロ」ブームも追い風となってか、国鉄時代からの看板などが発見されると、しばしTwitterなどのSNSでも話題になります。
近年では「新ゴB」や「新ゴM」など「ゴシック体」を採用する鉄道事業者が多いですが、東京都と千葉県を結ぶ北総鉄道では1979年の開業時から一貫して「丸ゴシック」を採用しているなど、使用されるフォントは様々。
各事業者ごとの「個性」を見ることができるのも「文字鉄」の魅力だったりします。
●国鉄といえば方向幕も
駅名標と並び「国鉄らしさ」の象徴として扱われるのが方向幕。
近年ではLED表示式が普及した事や、JR西日本やJR九州などでは独自のものに交換されるなど、国鉄タイプの書体を見られる機会は年々少なくなっています。
最近では特急「踊り子」号に使用されていた185系電車の定期運用離脱により、JR東京駅に乗り入れる国鉄型「方向幕」を装備した車両が消滅しました(※臨時列車を除く)。
近い将来消滅してしまう可能性もあり、今後もさらに注目される可能性はあります。
●車両ナンバーも
一方、私鉄に目を向けてみると名鉄(名古屋鉄道)や東京メトロ(東京地下鉄)、神戸市交通局などは、個性的な書体を採用していることでも有名です。
特に東京メトロの車番書体は営団地下鉄の時代から続く伝統の書体で、アメリカ・ニューヨークの地下鉄に採用されていたものを参考にしたという説があります。
(※2022年現在、本家ニューヨークの地下鉄ではこの書体は使用されていないそうです)
私鉄などでは独自のフォントを使用している事業者も多く、さりげなく観察して見るのも楽しみかもしれません。
意外と奥の深い「もじ鉄」の世界。
皆さんも鉄道を利用した際に気にしてみては如何でしょうか?