はじめに

この記事は、この記事に掲載されている各YouTuberさんから、許可をいただいております。ご協力ありがとうございました。

何が伸びる?

鉄道系YouTuberの第一人者は、間違いなくスーツだ。最近の一回当たりの再生回数も、10万回越えと圧倒的である。鉄道系YouTuberは、「鉄道系」という縛りがある以上、鉄道ネタを扱うことが基本である。(近年は、スーツの影響で、鉄道系というよりも、交通系になりつつあるが)そう、鉄道系YouTuberは、その限られたテリトリーの中で、なおかつ差別化をしなければいけないというのだから、彼らの努力には目を見張るものがある。今回は、その中でも有名なYouTuberの中の再生回数上位の動画の共通点を比較し、「何が」人々の心を鷲掴みにするのか、考えてみた。

比較対象のチャンネル

①スーツ 交通 / Suit Train

②がみ

③謎のちゃんねる

④綿貫渉/交通系YouTuber

⑤西園寺

アイコンは、すべてYouTubeより引用

比較方法

再生回数上位10の動画の種類を、企画、話題、紹介の3ジャンルに分けて比較する。また、再生回数、高評価率、低評価率、動画の全視聴回数のうち、何人に一人が高評価を押しているのかを算出する。そして、その10の中から、どのタイプの動画が一番ランクインしているのか、比較をする。

用語解説

「企画」・・・検証など、動画の内容が企画性に富んでいるもの。

「話題」・・・ダイヤ改正など、ニュース、時事的な内容に富んでいるもの。

「紹介」・・・列車を紹介したり、特徴を開設したりし、事実を紹介する内容のもの。

「高評価率」・・・ファンの多さを客観的に示す指数

「低評価率」・・・視聴者に占める割合のうち、批判的な視聴者の人数

「何人に一人が高評価」・・・視聴者のうち、どれぐらいが高評価を押すというアクションをしているのかを示す指数(=熱狂的ファンの割合)

1.スーツ 交通 / Suit Train

まず、すべての情報を整理した表が、こちらである。

そして、この表の特徴をまとめたのが、この図である。

スーツ氏の人気動画TOP10の特徴

①企画、話題、紹介という鉄道系YouTuberが行っている企画を偏りなく行うことで、視聴者を飽きさせない努力をしていると考えられる。

②ファンが多数を占めるものの、一定数の批判的な視聴者がいるということ。

③高評価をせずにスルーをする傍観者がかなり多いということ。

④ ②③より、幅広い層の視聴者がいるということ。

2.がみ

まず、すべての情報を整理した表が、こちらである。

なお、がみ氏のTOP10動画のうち、6位の動画が高評価・低評価数が公開されていなかったため、6位をカウントせず、11位の動画を繰り上げた。

がみ氏の人気動画TOP10の特徴

①企画動画が少なく、紹介に偏っている傾向があるが、面白いネタを提供することによって、視聴者を獲得していると考えられる。

②最近(1年以内)にTOP10にランクインした動画は、高評価する人の割合がおよそ2倍に伸びており、ファンを獲得していると考えられる。

③視聴者に占めるファンの割合が高いと考えられる。

3.謎のちゃんねる

まず、すべての情報を整理した表が、こちらである。

そして、この表の特徴をまとめたのが、この図である。

謎のちゃんねるの人気動画TOP10特徴

①企画や紹介といった、鉄道ファンの興味を誘う動画が多い。

② ①より、話題性をあまり重視していないと考えられる。

③視聴者に占めるファンの割合が高いと考えられる。

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4.綿貫渉/交通系YouTuber

まず、すべての情報を整理したのがこの表である。

そして、その特徴をまとめたのが、この図である。

綿貫渉/交通系YouTuberの人気動画TOP10の特徴

①話題性のある動画はあまり作っておらず、企画力に富んでおり、その企画力で視聴者を引き付けているのではないかと考えられる。

②高評価率は総じて高く、批判的な視聴者は少ないのではないかと考えられる。

③視聴者に占める高評価を押す人数は少ないが、一方で非常に高い割合で高評価が押されている動画があるため、ファンを多く獲得しているのではないか、と考えられる。

5.西園寺

まず、すべての情報を整理したのがこの表である。

そして、その特徴をまとめたのが、この図である。

西園寺の人気動画TOP10の特徴

①「話題」が少なく、企画、紹介の割合が多い。

②視聴者のうち、高評価を押す人の割合が多いため、ファンの割合が高いと考えられる。

③高評価率が高いため、「批判的な視聴者」が少ないと考えられる。

人気YouTuberの共通点とは

さて、ここまでのデータをまとめて、共通点を見出すことにする。

ジャンルから見た特徴 企画・紹介が人気

各YouTuberの動画のジャンルを見たとき、企画、もしくは紹介というジャンルが最もTOP10のにランクインしていることになる。企画、紹介ジャンルの共通点は、「相手が知らないことを提供する」点である。まだ知られていない、比較的知られていない事実を紹介することによって、視聴者の興味・関心を引き、視聴者の獲得に成功しているのではないかと思われる。このことから、伸びる鉄道系YouTuberの「ジャンル」としては、興味・関心を引く傾向のあるジャンルの動画が多いということがわかる。また、適度に「話題」を含むことで、視聴者を飽きさせない工夫が施されている。

高評価率・視聴者に占める高評価を押す人の割合から見た特徴

まず、特徴の一点目として、登録者数が多くなればなるほど、「批判的な視聴者層」いわゆるアンチの割合が高くなっているという点である。視聴回数が上がるにつれて、動画を見る人の人数は増えていくため、その中の批判的な視聴者のが図画相対的に増加していくためだと考えられる。

次に、特徴の二点目として、登録者数が少なくなるほど、視聴者に占める高評価を押す人の割合が増加している傾向にある、という点だ。これについては、登録者数が少ないほど、その視聴者に占めるリピーター、ファンの割合が高いということが考えられる。また、知名度が相対的に低いため、批判的な視聴者が少なくなるという傾向があるということも要因として考えられる。

単純な記録映像と、YouTuber的動画の違い

スーツ氏が登場するまで、鉄道のYouTubeといえば、主に記録映像が主流であっただろう。単純な記録映像で、視聴回数が多いものは、謎のちゃんねる氏の1位の動画のように、インパクトのあるものや、話題性に富んだものが多い傾向にある。それに対し、近年の鉄道YouTubeは、スーツ氏の動画のように、テレビ的な、つまり、ヒカキン氏のような王道的なYouTubeの思考を取り入れたものが多くなっている。近年は、後者の割合が増えてきたので、ユーモアや工夫といった単純な記録映像にはないものが生まれており、従来のものと差別化に成功している。一方で、インパクトのある記録映像は、突発的な視聴者は得られても、チャンネル登録するアクションは起きにくいので、継続的な視聴者が得にくいという特徴もあると考えられる。

一方で、後者の割合が増えてきたことで、日の目を見ないYoutuber、登録者数が少なく再生回数が少ないYoutuberが増えてきている。そういった人たちは何をすればいいのか、次の章で、実際の数字に基づいて解説する。

駆け出しYoutuberがしなければいけないこと

まず、一つ目はほかのYoutuberがまだ行ったことがない、独自性のある企画を行うことだ。言い換えれば、焼き増しではいけないということである。これには実例があり、スーツ氏の登録者が大幅に増加するきっかけとなったのは、前人未到の「最長往復切符の旅」である。これによって、彼の知名度は大幅に拡大した。独自性のある企画を行うことは知名度の増加につなげるということでもある。

2つ目は、先駆者に頼るということである。一見すると矛盾のように感じるが、これにも実例がある。西園寺氏の「スーツ氏へのインタビュー動画」である。圧倒的な知名度を誇るスーツ氏に頼ったことで、彼の知名度は一気に上昇(ちなみに私が彼の動画を見始めたきっかけはこの動画である)、再生回数もかなり増えた。いくら独自性のある企画をしても、それを広めなければ意味がない。その役割を担ってくれるのが、先駆者であるというわけだ。

三つめは、自分の考えを貫き、努力を続けることだ。イメージとして、Aさんの動画をずっと見ていたら、自分の作る動画はそのAさんの動画の模倣品に限りなく近くなると思う。自分のスタイルや考え方を貫き通すことは、ファン獲得の第一歩ではないだろうか。また、頻度の低い動画投稿では、安定したファンを獲得しにくいだろう。だから、努力を続けることは非常に重要だ。(精神論も時には大事)

まとめ・伸びる鉄道系YouTuberの特徴とは

①企画性に富んだ動画を制作している点

②鉄道に関する情報をわかりやすく、簡潔に紹介している点

③独自的な企画を考案し、実行している点。

④ファンの獲得に成功しており’と考えられ)、高評価率が高い傾向にある点

⑤単純な記録映像との差別化に成功している点。

⑥業界のトップランナーである点。(当たり前)