ついに明日の4月1日に、JR北海道の日高本線、鵡川から様似までの区間が正式に廃止となります。2015年の高波被害から資金難を理由に6年もの間放置され、事実上の廃線扱いとされていたこの区間は、バス転換に合わせて大きな変化を迎えることになります。

ウマ娘にも出た名馬の里の鉄路が消える

日高本線は、もともとすでに静内まで敷いてあった軽便鉄道を改軌して様似まで開通した路線です。北海道の中では宗谷本線に匹敵するほどの長大な盲腸線ですが、かつては幾つもの支線が分岐しており、さらには様似からえりも、広尾を経由して帯広へと抜ける壮大な日勝線構想を抱えていました。ですが結局全通せず、帯広ー広尾間に先行して開通していた広尾線もバス転換となり、日高本線だけが残って今に至ります。

日高本線専用のキハ40。優駿浪漫という専用カラーを持つ

日高本線の沿線、特に静内駅を筆頭とした新ひだか町区間には競走馬を育成する牧場が多数点在することで知られており、最近流行りの競走馬を擬人化したアニメ、ウマ娘にもちょっとだけ出演するなど日高本線は競走馬と切っても切れない縁があります。国鉄時代は競走馬の専用貨物を走らせたり、JR初期にも名馬の産地にあやかったカラーリングや臨時列車などを多数走らせていたり、専用の新型車両なども導入していたりと決して手を抜いていたわけではありませんでした。

Kiha130 at Tomakomai Sta.jpg
wikiより転載。キハ130は少々ケチり過ぎたと思う。

ですが国鉄末期から始まったモータリゼーションと高速道路の開通、そして何より競走馬の輸送が自動車に置き換わったことで日高本線は徐々に存在意義が薄れていきます。海沿いの路線を走るので高波被害も決して0だったわけではなく、JR化後も被害を受けるたびにその都度復旧してきたのですが、JR北海道の経営そのものの悪化がとどめとなり、ついに復旧を諦めてしまいました。

高速道路も全通進まず…

日高本線が廃止となった暁には、高速大量輸送の指名が並行する日高自動車道に一任されるわけなのですが、なんとこの自動車道はまだ全通していません。正確には、日高厚賀ICから静内IC(仮称)までの、厚賀静内道路と呼ばれる区間がまだ未開通となっています。2019年末ごろに新冠町付近を通過する大狩部トンネルが全通していますが、そのほかの区間はいまだ事業中で開通の見込みは立っていません。並行する国道235号線だけでは少々役不足です。苫小牧、新千歳空港、札幌方面へのアクセスの速達化の為にも早期開通が望まれます。

2019年当時の国土交通省北海道開発局のツイート。

明日は我が身?厳しい北海道の鉄路

このように収支が厳しく、廃線の危機に面している路線は何も日高本線だけではありません。特に函館本線深川駅から分岐する留萌本線は、2017年までに収支悪化を原因として増毛から留萌までの区間を廃止。そして残された留萌までの区間も、いよいよ廃止を前提とした協議を地元自治体と進めています。そしてさらにひどいのが根室本線の新得から富良野までの不採算区間。2016年の台風10号による被害で新得から東鹿越までの区間が不通となっており、復旧のめどはたっていません。奇しくも日高本線と同じ境遇に置かれており、存続が危ぶまれています。末路まで日高本線と同じ轍を踏まないように願うばかりです。

廃駅になるはずが災害不通の影響でいまだに残り続けている東鹿越駅

新設!特急バスとまも号+α

さて悲しい話題だけでもあれなので日高広域交通のこれからについてご紹介します。4月1日からこのエリアを(というよりずっと前から)JR北海道バスと道南バスが担当することになりました。道南バスは苫小牧から静内までの区間を主に担当しますが、何本かは静内から浦川方面の便も担当します。ほぼほぼ既存路線を活用した形となりますが、時間帯によってルートを変えて速達化を図ったり、快速便の新設などで苫小牧方面への長距離需要を確保します。

JR北海道バスはもともと様似周辺でバス路線を経営していた

静内から様似方面はJR北海道バスが主に担当します。もともと浦河駅、様似駅を中心とした路線網を築いていた同社は、様似から浦河方面に向かうバス路線を静内に延伸する形で代替を担います。それと同時に同区間に急行便を設定し、速達需要を確保します。さらには急行便をはじめとする一部の便が様似からえりも・広尾方面に向かう路線に直通するダイヤに再編。静内から乗り換えなしでえりもに向かうチャンスが鉄道時代より増える形になります。

wikiより転載。道南バス一般路線のイメージ

そして今回の改正一番の目玉、苫小牧からえりもを結ぶ特急バスが一往復新設されます。その名はとまも号。今までこの地区のバスで苫小牧に向かうには静内、もしくは浦川で乗り換えを挟む必要があったり、高速バスを使うにしてもほとんどの便は苫小牧には向かわず、札幌、もしくは新千歳空港方面に向かう便ばかりだったのですが、今回の改正でようやく直通一本のバスが新設されました。このバスの新設をもって、日高本線の全ての需要はカバーされることになります。なお高速バスに関しては、新千歳空港に向かうひだか優駿号がJRに移管されること以外現時点で大きな変化はないそうです。

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4月1日からの日高広域交通時刻表

上記以外にも様々な変更点がありますが、詳しくはこちらのPDFをご覧になってください。

http://www.town.hidaka.hokkaido.jp/uploaded/attachment/10146.pdf

EX:日帰り/合宿攻略で北海道を応援

残念ですが今現在JR北海道の状況は大変厳しいものです。自助努力ではもはや解決できないレベルにまで陥っています。

貴方がもしJR北海道を真に愛している鉄道ファンなら、やるべきことはわかっているはずです。

そう。単純明快、JR北海道の路線に乗ってお金を落とすことです!

しかし一路線、一区間だけではやはり雀の涙。それにどうせなら魅力あふれるJR北海道の路線にもっと乗りたいですよね?

だったら全線乗りつぶしちゃえばいいんですよ。全路線乗りつぶせば北海道の収支に一ミリくらいは貢献できます。

この行程は日帰りでも行けるからお前らもやれ(強制)
この行程はさすがに宿泊かな…でもやれ(拒否権なし)

コロナが流行っていても大丈夫!JR北海道はコロナ前からソーシャルディスタンスを徹底している優良企業ですので安心して乗車することが出来ます。また、乗客も少ないので密になる心配もありません。気にせずのびのびと感染対策を徹底し、雄大な景色を酒の肴に北海道を攻略しましょう!

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