前回の記事では東日本の中でも合理化対象になり得そうな路線を「路線別ご利用状況」などの資料を元にピックアップしましたが、今回はその中でも可能性がかなり低いと我ながら考えて前回の予想から外した路線たちです。合理化対象になる訳ないだろう、と思うのは当然ですが、まあ読むだけ読んでください。

鶴見線

いきなり関東首都圏エリアの懐に飛び込んで申し訳ないのですが、この路線も合理化対象の可能性がない…とも言えないのです。この路線は鶴見と川崎の工業地帯を走る路線性格上、貨物列車も通るそこそこ重要な路線なのですが、その貨物列車が通る区間は安善から扇町までの区間。それ以外はたまに海芝浦方面に特大貨物がやってくる程度でイメージの割にはそこまで走っていません。弁天町から鶴見までは完全に旅客輸送専門です。

浜川崎にて

数字だけで見ると、朝夕と日中の利用の差が激しいのか、通過人員10万越えがザラの横浜エリアで、南武支線や後述の相模線と共に通過人員が5万人にも届いていません。貨物列車が通る区間ならまだしも、通らない区間はもしかしたら合理化対象となって架線を剥がされることにになるやもしれません。そうでもなかったら、わざわざハイブリッド水素電車「HYBARI」なんて入れて試験をするでしょうか?

JR東日本は水素をエネルギー源とした「ハイブリッド車両(燃料電池)試験車両」の製作と実証試験の実施を発表
同線区で導入予定の水素電車「HYBARI」

あの車両の試験導入は、いわば合理化への壮大な伏線と考えてもいいでしょう。浜川崎で合流する南武支線も試験エリアとなっていることからもしかしたらセットで合理化するかも、と予想しています。もっとも南武支線は貨物列車にとっては最重要路線なので流石に架線を剥がされることはなさそうですが…

相模線

橋本から分岐して茅ケ崎に至るこの路線、実は神奈川県で一番最後に電化された路線でもあります。電化から今年でようやく20年と言えばその時期の遅さが分かるでしょうか。電化が遅かったのはやはりそれなりに通過人員が少ないせいで、民営化当時は1万もいかなかったそうです。今でこそギリギリ3万手前くらいの数字ですが、ほぼ並行する横浜線が20万以上の通過人員だという事も考えると少々頼りなく思えてきます。

電化当時から活躍している突然変異顔の205系

電化された当時から地元住民が必死に複線化を訴えていますが、存在意義のほとんどが茅ケ崎、橋本や厚木・海老名で接続するJR線、私鉄線の培養路線と化している同路線の状況ではまず無理でしょう。加えてこの合理化の決定で、複線化はおろか電化を維持するのもあわやという状況となるのも否定できません。横浜線ですらワンマン化対象に加えられるのに相模線だけ何もないという保証はどこにもありません。もしかしたら、ハイブリッド車両に置き換えたついでに車両も削減するかも…流石にそこまでやらないとは予想してはいますが。悪い方向に転がらないことを祈るばかりです。

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水戸線

栃木と茨城県を結ぶ唯一の電化線であるこの路線もどうもきな臭いです。小山で接続する両毛線と共に北関東線の一つを形成していますが、路線全体でギリ1万人台を維持している両毛線に対しこちらは通過人員が7000人を下回る数値を出しています。ラッシュ時にはそこそこ混むのですが、やはり日中は5両編成だと少々過剰気味です。加えて、同路線に使用している車両は東日本エリアでとても希少な交直流電車、E531系。ただでさえ製造費用が高い交流電車にさらに直流対応機能を付けるのですから相当な高コスト車両です。

故障を頻発して水戸線出禁になったE501系

今回の合理化で車両の延命や車両製造の抑制にも言及した東日本は少しでも費用を抑えて交流車のストックを増やしたいはず。そう考えると一番手っ取り早いのはやはり交流電化区間を縮めることでしょうか。常磐線や東北本線などの大幹線は無理でも、水戸線や仙山線などの地方交通線レベルなら何とかできます。基本短編成が主流の交流電車において最低5両というそこそこの容量を持つE531系を水戸線なんかで運用するのは少々もったいないです。需要の変化に柔軟に対応できる二両編成のハイブリッド車両を導入して電化設備を撤去…が大方の予想です。

東日本だから大丈夫、はもう通用しない

日本全国の鉄道会社に多大なる悪影響を与えた新型コロナウイルス。その影響はついに東日本の経営思想を180度転換させるまでに至りました。これから東日本はポストコロナの時代に向けて徹底した合理化を推し進めて何とか生き残りを図るでしょう。西日本のような極端な合理化にならなさそうなところが唯一の救いですが、状況次第によってはそれよりひどい合理化もあり得るかも…そうならない為にはやはり我々が日ごろからJRを利用することが何よりも肝要です。これらの予想をすべて外させるためにも、できる限りJR東日本を利用しましょう。