この記事はあくまでも筆者の願望を交えた予想記事ですのでそれを理解したうえで記事を読み進めてください。

ハイスペック通勤電車、E531系

E531系は、JR東日本に所属する交直流通勤電車で、常磐線、東北本線、水戸線を主な運用線区としています。常磐線とほとんど並行して開業した鉄道、つくばエクスプレスへの対抗策として導入されたこの形式は、最高速度が130キロとJR東日本の通勤電車にしては高めに設定されており、東京・上野と水戸・勝田を2時間台で結びます。

常磐線に導入された後も不定期ながら増備が続けられており、友部から分岐する水戸線や東北本線の福島県と栃木県の間に存在する交流と直流のデッドセクション(以下DS区間と略す)区間の運用にもついています。2020年に常磐線の東日本大震災被災区間が全復旧した際には運用範囲を大きく拡大し、福島県の原ノ町まで顔を出しています。

そんなE531系を、原ノ町から北の仙台近郊エリア、それも東北本線区間でも運用できないかというのが今回の記事のテーマです。

せっかくのキャパシティが持て余し気味?

E531系は10両の基本編成と5両の付属編成の二種類に分かれていますが、今回仙台で走らせてほしいのは付属編成のほう。同系の付属編成の内3両がセミクロスシート、残りの二両がロングシート編成となっています。過半数がセミクロスシートとはいえ首都圏向けに作られているだけあってそこそこの容量があります。しかし今の運用状況を見ているとその大容量を持て余しているようにしか見えません。

常磐線区間や水戸線の朝夕ラッシュ時間帯ならまだしも、東北本線DS区間の運用に同形式を当てるのは少々過剰です。今現在この形式がこの線区で運用されている理由はDS区間を通過できる為と言っても過言ではありません。水戸線も昼はわりかし空いていますが朝夕の小山・東京方面や水戸方面への通勤通学ラッシュを捌く必要があるので一概に過剰とは言えません。しかし東北本線のDS区間は明らかに過剰です。ワーストではありませんが、一時期この区間はキハ110二両が充てられたくらい閑散としており、18切符シーズンでもない限りこの区間はそう簡単に混雑しません。

18切符シーズン外に行ったらもうスカスカすぎてね…日中にしたってひどすぎる

こんな閑散区間には流石に2ドアのキハ110系では不安なので水郡線で使っているようなキハE130系等でも投入しておいて(むしろなぜわざわざ高い交直流電車を入れたのか謎)、せめて新白河からさらに北の区間、白石ー仙台ー小牛田の仙台近郊最混雑区間で運用させた方がよっぽど効率的です。何せ一編成だけでロングシートの701系とセミクロスシートのE721系の連結編成をしのぐ収容力がありますし、一々連結させる手間も省けます。そして一編成で二編成分賄えるので単純に編成数を節約できます。ただでさえコストが高い交流電車を少しでも減らすことが出来れば東日本にとっても悪い話ではなさそうですが…どうでしょうか?

実は既に入線済み。しかし段差の問題が…

さて。皆様お気付きの通りE531系はすでに仙台近郊エリアに今年を含めて三回ほど入線しています。最初に来仙したのは去年の10月末に乗務員訓練で、その数日後にワンマン運転設備追加工事の為仙台車両センターにK462編成が自走してやってきました。原ノ町駅以北に入線したのはこれが初めての事例だそうです。はるばる首都圏から自走できたという事は走行機器の諸問題はクリアと考えてもいいでしょう。ただ、もしも導入されるとしたら気になる点がいくつかあります。

首都圏ホーム規格だとここまで段差が広がる

実は仙台近郊の駅のホームと、首都圏の駅のホームは同じ高さではないのです。これは民営化当時、仙台近郊を走る列車の過半数が客車列車だったことが主な要因とされています。古くから電車主体となっていた首都圏は電車に合わせてホームをかさ上げしていましたが、仙台近郊は民営化してからもしばらく客車列車主体だったのでホームのかさ上げの必要がありませんでした。そのためこのエリアに導入される電車のほとんどは段差を解消するために必ず乗降口にドアステップが付けられています。

台車に改良を施して低床化を実現したE721系

この段差の問題は仙台近郊のホーム規格に合わせて車体そのものを低床化したE721系の導入によってほとんど解決しましたが、首都圏のホーム規格で設計されたE531系を導入するとなると、あの車両はドアステップすらないので乗降に少々手間取ることになりそうです。ただ既に仙石東北ラインでほぼ同じホーム規格のHB-E210系が何の問題なく仙台で走っている所を見ると、もしそのまま導入されたとしてもよっぽど極端な段差が生じない限り特に気にすることはなさそうです。

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可能性がちょっと高まった?合理化の施策次第であわよくば

前の記事でも扱いましたが、皆様ご存知の通り既に東日本は新型コロナウイルス感染拡大による影響で、会社の方針を大転換し大幅な合理化を行うことを発表しています。その内容は一部不採算路線の単線化、もしくは再非電化等といったかなり踏み込んだ内容でした。その内容の中には車両の製造スケジュールの見直しや、既存車両の更なる延命についても記されています。

車両の新造頻度抑制と再延命工事の対象に真っ先になりそうなのは交流電車と私は睨んでおります。交流電車は製造コストが直流電車に比べて高いので、JRとしてはあまり作りたくありません。ですが仙台圏に通勤電車701系がロールアウトされてからそろそろ30年。安っぽい構造だから流石にこれ以上延命する訳にはいかないでしょう。とはいえ今更新型車両は作りたくはないので、その置き換えにもしかしたらE531系が抜擢されるのでは…と予想しております。上述したように一編成で二編成分置き換えられて、ついでに増車もできるのですから上記の段差の問題さえ気にしなければ十分導入のメリットがあります。

E531系で701系置き換え、と同時に一部のE721系も置き換えられて秋田や青森などの701系を玉突きで置き換えるという予想もちらほら見受けられますが、秋田近郊エリアの通過人員は仙台の3分の1くらいですので何か別の施策がなされると私は思います。

もしも本当に仙台で運用されるなら

E531系は最低でも5両編成ですので、流石に日中に入れたら過剰すぎます。朝夕の白石ー仙台ー小牛田の近郊運用がメインとなるでしょう。個人的には高めの最高速度が生かせそうな、仙台シティラビット号が適任かと思っていましたが、残念ながら同列車は2021年改正までに廃止されてしまいました。

欲を言えば、せっかくの交直流機能を生かして仙石東北ライン運用に就いてほしいのですが、そもそも直通先の仙石線が5両編成に対応していないのでおそらくないでしょう。

結び

結論としては、走行については問題ないので、ホームとの段差の問題さえ考えなければ後はJRの気分次第で現実になるので、可能性は高くも低くもないといった所です。最高速度については運転士の技量でE721系・701系と同等レベルにまで制限をかければよいのですが、せっかく130キロ出せるのですからもし本当に仙台近郊で運用される暁にはその最高速度を生かした運用に就かせてほしいというのが個人的な願望です。

妄言に付き合っていただきありがとうございました。