東北キハ40、またもや譲渡へ

今年のダイヤ改正でついに東日本エリアの定期列車から引退となったキハ40系気動車。しかし去年に関東の小湊鐡道に譲渡されて今年から千葉県で走り始めるなどして話題に事欠きません。そしてきょう未明、またもやキハ40が中小鉄道に譲渡されることが決まりました。

粟生駅は地味に3社が集うちょっとしたターミナル駅

今回の譲渡先は、JR加古川線粟生駅から分岐して北条町駅を結ぶ北条鉄道。かつて存在した加古川線支線群の唯一の生き残りである国鉄北条線を転換した第三セクター鉄道です。ちなみに北条線はキハ40の入線実績が無いので、今回の譲渡で国鉄時代を含めた北条線史上初の入線となります。

車両不足解消と乗客獲得の折衷案

ここ最近、地方の中小私鉄が国鉄型目当てにやってくるファンを獲得しようとあえて国鉄型を導入するという例が見られます。今回の譲渡も勿論その例に漏れないのですが、それとは別に北条鉄道特有の問題の解決策としてもキハ40が選ばれました。

2020年の九月、北条鉄道はちょうど路線の中間点に存在する法華口(ほっけぐち)駅に新しく行き違い設備を建設しました。この行き違い設備は全国初のICカードを用いた票券指令閉塞式で、簡単に説明すればタブレット閉塞と自動閉塞のいいとこどりのシステムです。この行き違い設備設置によるダイヤ改正で北条鉄道は平日朝3往復、夜二往復の増便を行い、平日のみですが毎時一本に近いレベルにまで利便性を高めることに成功しました。

これと同じ形式がたった3両しかいない

しかし増便に際して新たな問題が発生します。使用車両の不足です。増便の効果はそこそこあったらしく、特に4月からは朝の便はかなり混雑していると聞きます。ですが、混雑緩和のために車両を増結したくても、今現在北条鉄道は3両しか保有していないので、仮に増結を行ったら予備車なしのフル稼働状態となってしまいます。平常時はそれでよくても、定期検査の時やもしも故障して修理が必要な時は車両が不足してとても困ります。

しかしいざ車両を新造しようとするととてもコストがかかるので、できれば中古車両の譲渡で済ませるのが一番です。行き違い設備完成から全国の気動車を使用している鉄道会社を回って血眼で探したそうなのですが、タイミングや車体の構造が不適合でとても難航したようです。そしてようやく見つけたのがこの東北キハ40でした。

運用開始は2022年上半期(予定)

発表によると、今年の年末に北条線に搬入されて、同社で走れるように改造を加えた上で2022年度上半期に運用開始を目指しているとのことです。おそらくその搬入経路に加古川線が利用されると思うのですが、もしそうなら同線電化開業以来久々にキハ40が加古川線に帰ってくることにもなるので相当盛り上がるでしょう。キハ40運用開始の暁には行き違い設備の見学も含めて是非とも乗りに行きたいものです。(了)

粟生に来るときは神鉄粟生線も忘れないでね