首都圏の幹線でワンマン運転に乗り出す
本日12月7日、JR東日本は2025~30年頃を目途に山手線など首都圏の主要路線でワンマン運転導入を目指すと発表しました。対象路線はかねてからワンマン化を示唆していた山手線、京浜東北線、常磐緩行線などの都心三線と、横浜線、南武線の所謂東京メガループに属する二路線となっています。

山手線、京浜東北線はドライバレス運転も視野に
このワンマン運転化対象線区のうち、山手線と京浜東北線※では自動列車運転装置(ATO)、及びATACS(無線式列車制御システム)を取り入れ、将来的に運転士資格を持たない乗員だけが列車に乗り込む「ドライバレス運転」の実現に向け開発を進めるとのことです。なお常磐緩行線についてはすでに今年の3月にATOを導入済みとなっています。

※京浜東北線のATACS導入区間は大宮ー東神奈川まで
東京でも幾つか先例がある都市型ワンマン運転
ここでいうワンマン運転とは、地方路線や路面電車、及び各社バス路線のように車両内で運賃を収受、精算したりするもの(郊外型)ではなく、一般的な鉄道と同じように運賃や乗車券などを駅で収受、精算する都市型ワンマン運転のことを言います。車掌がおらず、運転士だけで列車を動かす部分は共通です。この方式は既に東京を始め幾つもの私鉄で採用されています。一つの例として、東急目黒線は直通先の都営三田線、東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道線も含めてかなりの広範囲でワンマン運転を行っていることで知られています。また、同じ東急に直通する東京メトロ副都心線も10両編成という長編成にもかかわらず自社線区内で都市型ワンマンを採用しています。

また、都市型とは言っていますが車両、設備などの条件がそろえば地方の線区でも採用できるため、東北本線黒磯ー新白河間や、内房線・外房線等の房総ローカル線区などでも都市型ワンマン運転を採用する事例が増えています。JRはいずれ地方、都心部のほとんどの線区をワンマン化することも視野に入れているため、今後も都市型ワンマン運転は技術の発展と共に広範囲に拡大していくものと見られます。(了)