はじめまして!今回からAJR様の方に記事を投稿させていただくことになりました「けいじぇー」と申します。主に旅のレポートなどをご紹介していきたいと思っております!よろしくお願いします!
今回はもう間もなく引退するキハ283系を使用した特急「おおぞら」に乗車した際の様子を皆様のご覧に入れようと思います。
釧路行き特急「おおぞら」

イランカラプテ!おはようございます!本日は早朝の札幌駅にやってまいりました!
本日は発車標に出ています札幌駅06:48発千歳線・石勝線・根室線経由の特急「おおぞら」1号の釧路行きに乗って終着の釧路駅まで向かいたいと思います。

使用車両はJR北海道が1997年にデビューさせた振り子式特急気動車のキハ283系車両。2013年までは最高速度130kmで札幌~釧路間を最速3時間40分で結び、2020年改正までは特急「スーパーおおぞら」と称していましたが、昨今のJR北海道の経営状況などの影響により現在は最高速度110km、札幌~釧路間を平均4時間10分ほどで結んでいます。
まもなく引退!?

1997年にデビューし、まだまだ新しそうに見えるこのキハ283系車両ですが、2022年のダイヤ改正をもって定期運用から撤退することがJR北海道のプレスリリースから発表されています。その理由は後ほどお分かりいただけるかと思いますが、この石勝線という路線が比較的温暖な道央と極寒の道東を山間を経由して走る路線であり、トンネルが多く車体に付いた雪が溶けて凍っての繰り返しが起こってしまうため、機器や車体の老朽化を早めてしまったのではないかと推測されています。
早速乗車!
というわけで早速車内へ。JR北海道の特急指定席の車内はキハ261系0番台を除きほぼ統一されており、グレードアップ指定席と呼ばれる背もたれが高く、シートピッチが広くされた座席が設置されています。この座席は結構快適です。

というわけで列車は札幌を発車。この先新札幌、南千歳、追分、新夕張、トマム、新得、帯広、池田、釧路に止まります。この列車は一部の列車がとまる占冠、十勝清水、浦幌と大半の列車が停車する白糠は通過となっています。終着の釧路までの所要時間は4時間と10分になっています。
千歳線を進む
列車は平和駅を通過するところ。ここまでは函館線が並走しており複々線のような形態となっていましたが、ここの平和を通過し少々経ちますと函館線と分離し千歳線の単独区間へ入っていきます。

函館線と別れて少々進むと列車は高架線に入り最初の停車駅新札幌に到着。ここは基本的にすべての列車が止まる駅になっています。ホーロー看板にはまだ「本場の味 サッポロビール」の広告が残っていました。こちらの広告もまもなく見納めとなることが決定しており、順次塗りつぶしや撤去が行われています。

新札幌を出ますと列車はカーブの多い区間を走行します。キハ283系は振り子式車両のためこのカーブ区間を車体を傾けながら走行していきます。しかし現在この区間は振り子ではないキハ261系や快速「エアポート」も120kmで走行する区間なので最高速度110kmのキハ283系が振り子を使う意味はあまりないようかと思います。

北広島、恵庭など快速「エアポート」の停車駅をバンバン通過して列車は千歳を通過するところ。ここを通過するとまもなく南千歳に着きます。ちなみにここの千歳駅の方が隣の南千歳よりも利用者が多い駅となっています。

そして列車は南千歳に到着。ここは千歳線・空港支線・石勝線が集まるターミナル駅。基本的にすべての列車が停車をします。2019年から2021年の二年間に限り当駅を通過する特急「北斗」が札幌行き1本限り設定されていました。
この列車はここの南千歳から先追分・新夕張方面の石勝線に進んでいきます。
南千歳からはバイパス路線”石勝線”へ

南千歳を発車して少々経つと苫小牧・東室蘭・函館方面の千歳線と完全に分離。ここからは南千歳と新得を結ぶバイパス路線である石勝線を進んでいきます。この路線の開業により従来滝川・富良野経由で走っていた釧路行き特急は石勝線経由に切り替えられ所要時間が大幅に減りました。

石勝線は道東方面へのアクセス短絡のために作られたためほとんど人が住んでないような区間をひたすら駆け抜けていきます。

列車は石勝線最初の駅である追分に到着。室蘭本線と乗り換えることができます。南千歳からは1駅しか離れていませんがもう18kmほど進んでおります。北海道はデッカイドウ
また、ここから先の区間は普通列車の本数が大変少なく、新夕張まで行く普通は1日2本。新夕張~新得間に至っては普通列車が全く運行されていない区間となっています。

しかしこの区間は雪が大変深く沿線人口も極端に少ない区間。普通列車を走らせても需要が0に近いのでしょう。ここの区間はほとんど札幌~帯広・釧路への特急のための路線になっています。

列車は滝ノ上を通過するところ。周辺に民家などは確認できません。しかしここの駅の1日の平均利用者は6人となっていてまだ廃駅にはならないような気がします。

そして列車は新夕張に到着。ここから新得までが先ほども言った通り普通列車が全く運転されていない区間。しかし特例が設けられており、この区間に存在する新夕張・占冠・トマム・新得を相互間に利用する場合のみ特急料金は不要となっています。新夕張からは2019年まで夕張支線が分岐をしていました。

この区間には昔、楓駅という駅が設置されていて日曜運休扱いで1日1本のみ楓行普通列車が運行されていました。

現在列車は清風山信号場付近を通過中。ここには当初ニニウ駅が設置される予定でしたが、石勝線の開業を前に集落の全住民が離村をしたため信号場としての開業となりました。2011年に発生した「特急スーパーおおぞら脱線火災事故」はここ付近のトンネルで発生しました。

続いて列車は石勝線で最も難工事となったトンネルである鬼峠トンネルを走行。ちょうど写真の地点には鬼峠信号場が1986年まで設置されていました。難工事の末誕生したのに開業からたった5年で廃止されてしまった可哀そうな信号場となっています。

列車はトマムに到着。駅付近でリゾート開発がなされており観光客の乗降が多い駅となっています。この列車もここで降りる方が多数いらっしゃいました。
新得からは根室線へ

列車は石勝線をしばらく走り新得に到着。ここから先は根室線に入り釧路を目指します。根室線は滝川~根室を結ぶ路線なのですが現在、東鹿越~新得の区間は2016年の台風被害の影響で運休しています。

新得駅には国鉄色に塗り替えられたキハ40形や北海道色のキハ40形が止まっていました。現在JR北海道では新型車両のH100系が順次導入されキハ40形は急速に置き換えが進んでいて、釧路支社にも2022年3月から営業運転に投入される予定となっています。

途中駅で新型車両のキハ261系5000番台の特急「とかち4号」とすれ違い。イベント用車両として製造をされましたが一部の定期列車にも投入されています。

列車は芽室を通過。特急「とかち」の停車駅ですが、特急「おおぞら」は全列車通過となっています。

しばらく走っていくと列車は高架線に突入。そうしますとまもなく帯広に到着するところです。札幌や旭川などの大きい都市を連想とさせるような感じがします。

ということで列車は帯広に到着。特急「とかち」はここ止まり。また新得方面からの普通列車の大半もここの帯広止まりとなっています。ここから先は利用者が少なくなる区間となります。

列車は少々停車した帯広を発車。ここからは池田と終着の釧路の順に止まります。

列車は幕別を通過。ここら辺は稲士別、幕別、利別という風に〇〇別という駅が続きます。首都圏でいう甲南大などの〇〇台シリーズに似ていますね。

列車は利別に運転停車。ここでは対向のキハ283系仕様の特急「おおぞら4号」札幌行と行き違いが行われました。このように普通に活躍している姿を見るとまもなく引退するとはあまり思えません。

そして列車は池田に到着。この列車は白糠に止まらないためここが釧路到着前最後の停車駅。池田でも多数の乗降がありました。

池田を出て少々経つと列車は山間の急カーブを連続走行していきます。昔はこの区間も振り子全開で高速走行をしていました。この先に進んでいきますと…

浦幌を通過し列車は沿岸部を走行します。ここら辺は根室線の新得~釧路間で最も景色のいい区間です。釧路行に乗る場合は進行右側の席をおすすめします。

そして列車は白糠を通過。大半の特急「おおぞら」が停車する駅ですがこの列車は通過します。最速便である「おおぞら5号」はこの駅に停車します。

次は終着 釧路の文字。この時点で札幌出発から4時間ほどたっていますが、そんなに経った気がしません。

釧路到着前に列車は高架線上に設けられたカーブを走行します。写真でもお分かりいただけるように結構内傾をしています。さすがは振り子車両。

始発の札幌から4時間と10分。列車は定刻通り終着の釧路の駅に到着です。

乗ってきた列車は折り返し釧路11:24発の特急「おおぞら6号」として札幌に戻ります。本当に働き者ですね…!
しかしあくまで私の推測ですがこの過酷な運用もこの車両の老朽化を早めてしまったのではないかと思っています。過去のJR北海道の1日の運用は本当に過酷なものだったので現在では改善されてきてはいますが、それでもこの距離を30分ほどのインターバルで運行するのは相当過酷だと思ってしまいます。

というわけで今回は間もなく引退する悲運の特急型気動車 キハ283系に乗ってみたということでお送りしてまいりました。皆さんも興味がありましたら3月の定期運行終了までに一度乗車してみてください!
ご覧いただきありがとうございました!