2022年12月11日、この日をもって485系「リゾートやまどり」は2011年のデビューから12年の活躍に終止符を打つことになりました。それと同時にこの日をもって、「485系」シリーズの車両は1964年の登場から58年の歴史に幕を下ろすことになりました。

今回はそんな歴史的な日に、JR東日本びゅうツーリズム&セールス主催「懐かしのリゾートやまどりコース」として上尾~長野原草津口間の往復ツアーに参加しました。

往路コース(上尾→長野原草津口)

午前7時30分、リゾートやまどりが入線する上尾駅2番線はすでにこのような人だかり!

午前7時43分、リゾートやまどりが入線しました。この落ち着いたシックで落ち着いたカラーリングを見られるのも、今回が最後となってしまいました。

今回のラストランツアーで私が乗車したのは5号車9番A席。今回は、私の旅のお供「おーいお茶」とお送りします。ツアーには「リゾートやまどり」の乗車記念プレートが渡されました。そして午前7時55分、最終リゾートやまどりは定刻通りに上尾を出発しました。

午前8時21分、列車は「熊谷」に到着。ここでは客扱いをすることなく、運転停車という形で数分間停車しました。

次の高崎へ向かう途中、JR東日本の新型事業用車両「E493系」とすれ違いました。この日は運用に入っていたのでしょうか?

高崎の一つ手前の駅「倉賀野」を通過中、私は後尾車の1号車にいました。ここでリゾートやまどりの影を撮影しました。同じ影はもう二度と撮影できませんからね…。

高崎に到着。高崎駅1番線に到着しました。普段は旅客列車が入線するようなホームではないとツアーガイドさんからアナウンスがあったときは正直驚きました。

高崎を出発後、列車は上越線に入り渋川でしばらく停車。その後吾妻線に入り、金島~祖母島に架かる「第一吾妻川橋梁」を渡って吾妻川に沿うように吾妻線を経由して終点の長野原草津口へ向かいました。

午前10時35分、列車は定刻通りに終点の長野原草津口に到着!

ここでは24分間の停車時間が設けられ、記念入場券の販売とリゾートやまどりの撮影会が行われました。

復路コース(長野原草津口→上尾)

座席を回転させて、今度は上尾を目指します。

途中の中之条ではドアを開けて10分ほど停車。中之条町のキャラクター「なかのん」と中之条町観光ボランティアガイドの会の皆さん、そして中之条町の町長もおいでになっていました。暖かい歓迎を受けて、心が癒されました。

中之条を出発後、車内にて昼食用のお弁当が配布されました。配布されたお弁当は、「あがべん」で有名な「吾妻弁当」。きんぴらごぼうに国産ロース豚の生姜焼き、そしてシイタケの天ぷらなどが入っていて、和風味付け(醤油・酒・みりんによる味付け)が中心のメニューでしたが、どのメニューもとてもおいしかったです!

特に国産ロース豚の生姜焼きは、口に入れて噛む度に豚肉の旨みと和風味付けのコンビネーションが完璧すぎてずっと噛んでいたいと思うほどでした。

12時17分、列車は途中の渋川で上越線と合流して新前橋に到着。先行列車との間隔調整のため数分間停車しました。定刻よりも約2~3分ほど遅れて新前橋を出発しました。

再び高崎に戻ってきました。ここでは約15分間の停車でした。リゾートやまどりが停車するホームには、私を含め子供から大人まで沢山の鉄道ファンがカメラを構えてリゾートやまどりの隅々まで撮影していました。

高崎を出発後、びゅうのツアースタッフさんがスイーツを配布してくれました。配布してくれたのは、群馬県のゆるキャラ「ぐんまちゃん」がデザインされたロールケーキでした。見た目が可愛すぎて、しばらく食べることができませんでした。

14時05分、リゾートやまどりは終点の上尾に到着しました。ついにリゾートやまどりは最後の鉄路を走りきりました。それと同時に「485系」としての旅がついに終わりを迎えました。

結び:「さようなら」ではなく「ありがとう」と言いたい。

1964年(昭和39年)の登場から半世紀以上もの間、日本全国を駆け巡ってきた485系。昭和、平成、令和と変化していく時代の中で、485系自身もその姿を変えながら乗客の需要に応えてきました。現在、JRに変わって間もない90年代前後にデビューした車両が次々に引退していく中で、こうした国鉄特急が残っているということは非常に喜ばしいことではありますが、人間と同じように鉄道も老いて古くなり、最後には”解体”という形で「死」を迎えるものですから485系のような功労“車”の門出には「さようなら」ではなく「ありがとう」「お疲れ様でした」というような労いの言葉をかけたいと私は感じました。

今回の記事も、最後まで読んでいただきありがとうございました。

著:大門希平