ついに最後の国鉄型電車特急に
特急やくもは、岡山駅と出雲市の間を運行しているJR西日本の特急列車です。国鉄型の381系によって運行されており、今年3月のダイヤ改正で、定期列車の運行を請け負う、最後の国鉄型電車特急となりました。さて、この381系やくも、そこまで先が長くないのをご存知でしょうか。
JR西日本が新製置き換えの方針を発表

こちらは、昨年11月に発表されたJR西日本の決算説明会の資料です。この資料には、N700Sの4編成増備、W7系11編成増備などが盛り込まれていますが、その下に注目すべき記述が。「やくも」車両新製、と書かれているのがお判りいただけるでしょうか。この記述から、381系は新しく製造される新型車両によって置き換えが行われる、ということになります。これは2022年に向けての中期経営計画ですので、投入時期は2022年前後と考えられます。
では、この「新型車両」とは一体どんな車両なのでしょうか。
案1 683系を転用改造

これまで鉄道ファンの間でもっとも一般的な説としてとらえられてきたのは、北陸新幹線開業で余剰が発生する、「683系」を転用改造の上、やくもで運行するという説でした。しかし、今回こちらの資料には「新製」と書かれていることから、この案は少なくともない、ということがお判りいただけると思います。
案2 287・271系シリーズの新車を導入

2つ目の案として、JR西日本が開発した特急である「287系」とそれの進化版である「271系」をもとにした特急を製造するという案が挙げられます。これらの車両は、最高時速130km/hというやくもを置き換えるには十分な性能を持っています。また287系は紀勢線の特急で使用されていたやくもと同じ形式の「381系」を置き換えた経験があり、実績は十分といえるでしょう。一方で、381系のような振り子装置を搭載していないことから、カーブの通過速度は381系に比べ抑えられ、所要時間も伸びてしまいます。287系シリーズでの置き換えは一番現実的ではあると思いますが、デメリットも抱えているため、「これが確実」と言い切ることはできないと思います。
案3 JR四国の車両を導入(例:8600系など)

3つ目として考えられるのは、JR四国の空気ばね・もしくは振り子装置を搭載した車両を導入する案です。すでに、JR四国の車両である8600系は2017年に伯備線内で何らかの走行試験を行っており、イベント列車などで伯備線に入選した経験もあり、こちらも有力な案の1つとして考えることができるでしょう。一方で、車両の設計のライセンスなどは、JR四国側が保有しているため、製造するにはJR四国に許可を取ったり、使用料を払わなければならないかもしれません。このようなデメリットもあることから、案2と同じく、「これが確実」と言い切ることはできないと思います。
結局どれになるのか
結局度の車両になるのか、ということですが、車両のコスト・維持管理費・運用実績などを考慮して決定されると考えられます。私の個人的な意見ですが、案2が最有力ではないかと考えています。皆さんはどの案が有力だと思いますか。下のシェアボタンから記事をシェアして、皆さんの意見をお聞かせください。最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事のアイキャッチ画像:MaedaAkihiko – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=96006153による