1988年、北海道新幹線を開通させるべく、長大な青函海峡に1つの海底トンネルが開通した。

北海道と本州を鉄路で結ぶそのトンネルでは、在来線特急・急行、快速列車など様々な列車が走った。

そして2016年、ついに新函館北斗〜新青森を結ぶ「北海道新幹線」が暫定開業した。

これは大赤字決算となっているJR北海道にとっての社運をかけた一大プロジェクトであり、これが札幌延伸の時吉と出るか凶と出るかは道民にかかってると言えよう。

函館〜札幌を1時間で結び、札幌〜仙台を3時間で結ぶ事となっている北海道新幹線が今後どうJR北海道に寄与していくかはまだ誰にも分からない。

と、そんな新幹線が注目される一方で、新幹線に並行し走る「並行在来線」についても我々は目を向けなければならない。

新幹線に並行する在来線は、大都市や比較的需要が大きい区間を除き基本的に「第三セクター鉄道」として残される場合が多い。

代表例としては北陸地方のあいの風とやま鉄道やIRいしかわ鉄道、そして越後地方のえちごトキめき鉄道や、北東北地方の青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道などである。

今回は、2031年に札幌延伸を控える北海道新幹線の並行在来線に注目をしていきながら、特に函館本線の「山線」区間に注目して記事をまとめていく。

なぜ、「山線」に注目?

なぜ山線に注目すべき必要があるのか。

それは、貨物輸送などが大きな鍵となっている。

北海道新幹線のルートは札幌から小樽市内(新小樽)を通り、山線に沿って倶知安などを経由して長万部、そしてそのまま函館本線に沿って八雲、新函館北斗と経由していき、最終的に青函トンネルに入って新青森へと至るという従来の札幌〜函館間の主要ルートである室蘭本線経由では無いルートとなっている。

JR北海道ホームページより画像拝借、加工

赤色で塗ったところが今回存廃が騒がれている山線区間である。青色で塗ったところが現在札幌〜函館を結ぶ特急「北斗」の主要ルートとなっており、貨物線もこのルートで運行しているので山線にはこの分の線路使用料なども入らない。

その山線を、緑色(大まか)で塗った北海道新幹線が通ることにより、山線は並行在来線としてJRの管轄を外れることになることは確定されている。

青ルートの長万部〜函館はまだ貨物輸送があるのでどんな形にせよ少なくとも路線自体が残されることは決定されているのだが、山線は利用もかなり少ないので廃線の可能性が騒がれている状況だ。

なので、山線区間が重要なポイントとなってきている。

周辺自治体の意見

では、周辺の自治体はどう言った意見を出しているのか説明していこう。

結論を言うと、正式にはまだ多くの自治体が意見の発表をしていない。発表してないと言うより発表を避けてる感覚だ。

4月5日 北海道新聞より

ただ、自治体的にも方向性の大体の見当はついているみたいで、それらをまとめていく。

まず小樽市

小樽市は新小樽駅を擁し、山線と電化された札幌近郊区間の境でもある小樽駅がある主要都市だ。

小樽市は周辺自治体に考慮してなのかまだ意見は発表していないが、路線の存続に向けて方向性はだいたい決まっているようだ。

そしてその横にある余市町

ウイスキーの街として一部界隈には有名な余市であるが、余市町は今のところ残していきたいとの意見を出している。

理由としては通学需要に山線が何としても必要であり、通学利用に最も効率的な交通手段であるからといった趣旨のことを述べた。

実際余市〜小樽は電化してもいいのではないかという程度の利用客が乗車しており、そのほとんどが通学の高校生である。

このことから、小樽〜余市間の存続は少なくとも確定だと思われる。 実際バス転換してもかなりの混雑が予想され、混乱が生じる可能性がある。

この区間は残していくのが最も現実的だと考える。

仁木町共和町は今のところ判断材料の不足などの理由で意見はしっかりと発表していないが、バス転換に向けて前向きな姿勢であることなどから、どちらに傾いてるかと言われたら恐らく廃止だろう。

そして新幹線の途中停車駅が設置される予定となっている倶知安町。もし山線が廃止になっても倶知安から鉄道が消えることは無いが、今のところ廃止についての意見は小樽と同様他自治体に配慮してなのか発表していない。

新幹線の開業により小樽や札幌にも行きやすくなるし、これからの街づくりでは在来線存続時のものと在来線廃止のものと2つ準備しているようなので、どちらに転んでもあまり困らないのではないかなと思う。

山線の利用に関しては一日あたりの1000人を維持しており、通学利用としては効果はあるように見える。

倶知安としては恐らくどちらに転んでもいいよ、と言った状態なのだろうが、倶知安駅の利用客を見る限り残すのが妥当なのかなぁとは思う。

倶知安が残したいという意思を表明すれば倶知安までは残されるだろうと予測する。まだ分からないと言うのが正直なところである。

そしてニセコ町。ニセコ町は全区間存続が望ましいとの意見を示しており、その理由としてはスキー観光産業で有名なニセコ町にとっての観光客に向けた効率的な交通手段の提供において必要不可欠であるとの事、そして町民の大事な足であるという事を挙げた。

しかし、札幌からのアクセスを狙っている場合新幹線倶知安駅からの接続バスを走らせれば解決するということと、乗降客数196人のニセコ町にとってこれが本当に鉄道が適しているのかという課題が引き続き残される。

しかし、賛成意見を上げてる以上倶知安が賛成意見を上げればニセコまでなら残される可能性がある。

次は蘭越町黒松内町

蘭越までの区間は利用客はまだそこそこいるのだが、黒松内町含めた蘭越から長万部までの区間は利用者数が本当に少ない。

まだ両自治体とも意見を発表していないが、残念ではあるが筆者目線で見ると廃止が濃厚なのかなぁと思う。

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山線存続に向けて、どういう取り組みをすればいいのか

新幹線開業により並行在来線としての存廃が騒がれる山線だが、長く存続させるためにはどうすればいいのか。

もし存続が決まったとしてもJRの経営下からは外れ、第三セクター鉄道としての存続となることは明確だろう。 第三セクター鉄道となっても、新幹線との連携・接続をとった円滑な運行ダイヤを進めると共に、利用者が使いやすいように様々な工夫を続けていかなければならない。

車両がH100系に置き換えられてから明らかに利便性は向上したが、果たしてH100系は第三セクター鉄道として存続された場合リニューアルにより受け継がれることになるのだろうか。

そして、通学利用では限界があるため観光需要も生み出していかなければならない。

スキーシーズンの新幹線倶知安駅からのニセコなどへの連絡列車の運行や第三セクター直通による「ニセコ」号の存続なども必要なように思える。

とにかく、残していくためにかなりの難関が立ちはだかることは確かだろう。それを知恵と工夫で切り抜け、路線存続に向けて動く意志がJR北海道や沿線自治体、そして沿線住民に必要なことなのではないかと思う。

まとめ

今回、このような記事を執筆する過程に山線の存続に向けてまた強く思い知らされ、近いうちに乗車応援をすべきとまた強く、改めて思い知らされました。

北海道の鉄道は山線だけでなくどこも崖っぷちの状況で経営を続けています。

この記事を見てくださることにより、少しでも北海道の鉄道に興味を持ち、乗ってくださる方が増えてくればこれほど嬉しいことはありません。

最後まで見て下さりありがとうございました。

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