今回は、前回の8000系のマイナーチェンジ版の8400系について解説していきます

そもそも8400系って?

8400系は、当時2両E編成を基本としていた8000系に対して、2両E編成も存在するものの、当初から3両B編成、4両L編成を想定し、コンプレッサーやMGなどの容量を増大した、マイナーチェンジ版の形式となっています。編成は、大阪・京都方面からモ8400-(4両のみサ8350)-(3・4両のモ8450)-ク8300となっています。あくまでもマイナーチェンジ版のため、製造数はそこまで多くなく、後述する8000系からの編入車を入れて、組み換え後の編成でも4両L編成8本、2両E編成1本、3両B編成7本の55両のみと、8000系と比べ、相当なレベルでの少数派となってしまいました。そんな8400系、今では10両の廃車が発生し、4両編成6本(8402F〜8404F、8406F〜8408F)と3両編成7本(8409F〜8416F)が残存しており、西大寺検車区所属の3両編成は基本的に田原本線を中心に、たまに2本連結したり、8000系ダブルB編成の片割れが検査中の時は相方として脱走()運用をこなしています。東花園検車区所属の4両編成は生駒線・田原本線を除く奈良線系統で、普通から快速急行まで、幅広く活躍しています。

概要と改造

先述の通り、8000系のマイナーチェンジ版であり、8060F以降の編成を参考にしています。なので、登場当初は非冷房で方向幕なし、抵抗制御、菱型パンタグラフ、ラインデリア装備となっています。台車は基本的に8411Fまでと8415F(モ8415除く)以降が8000系後期車と共通のKD-64系シュリーレン空気バネ台車、8412F〜8414Fとモ8415が新造のKD-73系シュリーレン金属バネ台車となっています。1978年から1981年にかけて、冷房化と前面方向幕の設置が行われて、同時に8404F、8405F、8408Fのパンタグラフが下枠交差型に変更されました。8401F〜8404F、8406F〜8409F、8411F〜8416Fが省エネ改造(8000系と同じメニュー)をされ、4両編成は大阪・京都から←ク8350-モ8400-モ8450-ク8300と改番され、3両編成に改番は発生しなかったものの、大阪・京都方のモ8400に搭載されていたパンタグラフは撤去され、元々1基だったモ8450に移植されました。8403Fと8404Fは、省エネ改造の施工時には冷房化済みだったため、他編成とはクーラーキセが多少異なっています。

変態組み換え

8409Fは登場当初は2両編成で運用していましたが、1972年に発生した近鉄電車爆破事件被災車である、ク8559を電装化、KD-76系シュリーレン空気バネ台車に履き替え、モ8459に改番、運転台撤去を行い、1976年に8409Fに組み込んで、3両編成になりました。モ8459は、特急車両、他社譲渡車を含め、現役近鉄車内最古参車(1966年製)で、車内に扇風機搭載、カマボコ型ベンチレーターを載せる、最後の車両として運用されています。(車籍はあるが、運用されていないものを含めると、大井川鐵道の元16000系Y02編成で、1965年製である。[この編成は同じく大井川に渡った元Y03編成の事故破損のドナーとして使われて、部品がない状態であるため、元南海6000系による置き換えで廃車がほぼ確定している])

8400系内でも組み換えと組み換えによる改番が発生しており、製造当初、モ8415とモ8417は増結用の単独Mcとして製造されましたが、8416F製造時にモ8465とク8315が追加で製造され、3両編成を組成しましたが、先述の通り、モ8415はKD-73系シュリーレン金属バネ台車で、その他の車はKD-64系シュリーレン空気バネ台車という、編成内で2種の台車が混合する事態となり、乗り心地にも少々差があるようです。

一方、モ8417の方は、当時2両編成を組んでいた8411Fと組み、同じく3両編成を組んでいました。(一説によると、モ8415とモ8417は時々入れ替わっていたようです。)

省エネ改造の際、モ8415は完全に固定編成化しました。モ8417は、後ろに繋いでいたモ8411を運転台を撤去し、モ8461に改番させてまで固定編成化したようです。

廃車

やはり8000系より(多少は)新しい8400系でも廃車は発生しており、10両の廃車が出ています。まず、2004年8月にトップナンバーの8401Fが廃車されたのを皮切りに、2006年11月に8405Fの中間車が、後を追うように2012年6月に8405Fの残党が、2014年5月に8410Fが廃車されました。以上のように、省エネ改造未施工車を中心に廃車されているようです。

ひとこと

はい、しばらく更新が止まってしまい、申し訳ありません。

今はコロナに落ち着きがみられ、街に活気が戻ってきたように感じられます。僕もワクチン接種が完了し、感染しないとは言えないものの、安心できています。先日の記事のように、あをによしが来年から運行開始のようです。楽しみですね。