2021年3月。全国の鉄道業界において大事な月である。
そう、ダイヤ改正。
そんな中、北海道の地を走るJR北海道でもダイヤ改正が行われ、様々な変更等も行われる。
今回は、そんなJR北海道のダイヤ改正・廃止についてまとめてみたということでやっていく。
北海道新幹線とはこだてライナー
北海道新幹線では、東北新幹線上野〜大宮間での高速化により、1分間所要時間が短縮される。
それに伴い、北海道新幹線新函館北斗発着に合わせて接続するリレー列車「はこだてライナー」についても、1分ほど時間を変更して運転する。
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快速と各駅停車がある -
側面 -
フルカラーLED案内幕 -
マーク
発着時刻が変わる列車は以下の通り。
- 東京始発 はやぶさ7号 新函館北斗行
- 東京始発 はやぶさ13号 新函館北斗行
- 新函館北斗始発 はやぶさ44号 東京行
- それらに接続するはこだてライナー
上二つは新函館北斗駅到着時刻が早まり、それに伴いはこだてライナーも一分早く発車。
下は出発時刻が遅くなり、はこだてライナーも1分遅くなる。
今回は1分のみということであまり利用客への影響はないように思えるが、今後青函トンネルの高速化や更なる上野〜大宮での高速化などによる所要時間短縮が見込まれるので、札幌延伸に向けて着実に利便性が高まっているように思える。
北海道新幹線についてはまた別の記事で解説しようと思う。

特急列車
特急については大きな変更が今回の改正で行われる。
サロベツ号、大雪号の臨時化
まず今回の改正で1番大きく変わる点はこのサロベツと大雪の臨時化である。
宗谷本線と石北本線では、札幌発着の特急「宗谷」「オホーツク」と旭川発着の特急「サロベツ」「大雪」があるのだが、今回の改正でこのうちの旭川発着である「サロベツ」の一部と「大雪」が臨時化される。
臨時化されると言っても閑散期の火曜日・水曜日・木曜日の運休のみで、土休日や繁忙期はこれまで通り同じダイヤで運転することになっている。
運休されるのは以下の列車、期日となっている。
サロベツ3号・4号、大雪全列車
- 3〜5月 無し
- 6月 1日〜3日、8日〜10日、15日〜17日、22日〜24日、29日・30日
- 7月・8月 無し
- 9月 1日・2日、7日〜9日、14日〜16日、21日、28日〜30日
- 10月 無し
- 11月 4日、9日〜11日、16~18日、24日・25日、30日
- 12月 1日・2日、7日〜9日、14~16日
- 1月 18日〜20日、25日〜27日
- 2月 1日〜3日、8日・9日、15日〜17日、24日
今回は閑散期の火曜日・水曜日・木曜日となっていて休日には今まで通り運行することになっているが、今後どんどん減便される可能性が懸念される。
利用者減少の影響をもろに受ける宗谷本線と石北本線。特急の存廃は路線の存廃にも影響してくるので、今後の動向に注目していかなければならない。
北斗号の減便・一部臨時化
札幌〜函館を結ぶ特急「北斗」でも今回は1往復が廃止、1往復が臨時化ということになった。
廃止される列車は北斗号では最終列車の北斗23号・24号で、利用減少に伴う廃止となる。
また、これに伴い北斗22号と、すずらん10号の発車時刻が繰り下げられる模様だ。
そしてこれによって北斗22号は北海道新幹線「はやて100号」への乗り継ぎが出来なくなる。

そしてサロベツ・大雪と同じく臨時化となったのが北斗5号、14号だ。
運休日はサロベツ・大雪と同じく閑散期の火曜日・水曜日・木曜日で、多くの日で変わらず運行されることとなる。
「北斗」「おおぞら」の両数短縮
特急北斗では利用現状に伴い編成を7両→5両に、
特急おおぞらでも同理由で編成を6両→5両に短縮が行われる。


また、利用状況により増結が行われることとなっている。
これは両数短縮により余分な費用の削減の狙いがあると見られ、自由席の混雑がもっと多くなることが予想される。
そして道東自動車道を使った高速バスの需要が高まる中、特急列車の利用が減ってきてることがこの量数短縮には現れており、この先のさらなる利用者減少も懸念がされている。
特急「カムイ」、一部列車土休日のみ運転へ
札幌〜旭川を結ぶ「特急カムイ」では、カムイ9号、29号、28号、42号で土休日のみとなる。

また、繁忙期は運転するそうで、平日の列車が無くなること以外はあまり影響はないように思える。
「ライラック」「カムイ」はJR北海道一の運行頻度を誇る特急として、活躍し続けているが、利用の低下に関してはやはりこの2列車も影響は少なからず受けているように思える。
普通列車
普通列車に関しては一つ一つ説明していると無駄に長くなってしまうので、重要点を幾つか提示しながら、どういう風に変わり、どう利便性が変わるか解説していく。
札幌圏一部列車の運転取りやめ・土休日運休
札幌圏では、土休日の通勤通学需要が大きく減少していることを踏まえ、主に土休日減便という形でダイヤの適正化や経費削減をすることになった。
土休日に運休となるのは千歳線快速エアポートが3往復、函館線が2往復、学園都市線が2往復、函館線の千歳線直通列車が0.5往復。
土休日の空港需要にどう影響してくるかは分からないが、減便により前後列車の混雑が予想される。

また、以下の列車が運休となる。
函館線は2本廃止、1本部分運休、そしてそれに伴った1本行き先変更を行う。
千歳線では3本廃止、そしてそれに伴った1本の始発駅変更を行う。
主に日中時間帯の廃止で、これによるラッシュ列車への影響はあまりないように思える。

ローカル線の減便
札幌圏以外でも、通学・通勤時間帯を除いた早朝深夜や昼間といった時間帯に減便を行う。
根室本線では不通区間の代行バスも運休となる。
既に留萌〜石狩沼田間の廃止が濃厚となり、石狩沼田〜深川間でも廃止が強く懸念される留萌本線でも上り2列車、下り1列車で減便が行われる。
利用者減少に伴って行われるこの減便だが、さらなる利用者減少が懸念され、利便性は決して高いとは言えないだろう。
各路線の減便本数は以下の通りだ。
- 函館本線(旭川〜滝川) 0.5往復
- 留萌本線 0.5往復×2 + 0.5往復
- 宗谷本線(旭川〜名寄) 1往復
- 根室本線(滝川〜新得) 1往復
- 根室本線(新得〜帯広) 0.5往復×2 + 0.5往復
- 根室本線(帯広〜釧路) 0.5往復
- 石北本線 0.5往復

また函館本線(旭川〜滝川)では19:30旭川発の深川行を滝川行に延長し、利便性をさらに高めることとなる。

ローカル線へのH100系投入とそれに伴う高速化
ローカル線へは去年に続きH100系を大量的に投入することになった。
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外観 -
車内
投入数は、
- 宗谷本線(旭川〜名寄) 34本
- 石北本線(旭川〜上川) 2本
- 室蘭本線(苫小牧〜室蘭) 43本
- 室蘭本線(東室蘭〜長万部) 20本
となっている。
これにより客乗降がドアボタン式になる他、車椅子ペースや車椅子対応洋式トイレの設置、
車内低床化や冷房化など、利便性が従来のキハ40系などより大きく向上している。
また、宗谷本線では最大30分、石北本線では最大7分、室蘭本線では最大11分の時間短縮が行われ、高速化による集客も見込める。
18駅の廃止、18駅の自治体管理化
また、今回のダイヤ改正で18駅が廃止され、18駅が沿線自治体による維持管理駅となった。
宗谷本線は駅間距離が短いため間にある利用が少ない駅を廃止し、経費削減をすることになった。
廃止される駅は以下の通り。
函館本線
- 伊納駅
宗谷本線
- 北比布駅、南比布駅、東六線駅、北剣淵駅、下士別駅、北星駅、南美深駅、紋穂内駅、豊清水駅、安牛駅、上幌延駅、徳満駅
石北本線
- 北日ノ出駅、将軍山駅、東雲駅、生野駅
釧網本線
- 南斜里駅
また、自治体に維持管理を要請することになった駅は以下の通り。
宗谷本線
- 蘭留駅、塩狩駅、日進駅、智北駅、恩根内駅、天塩川温泉駅、咲来、筬島駅、佐久駅、歌内駅、問寒別駅、糠南駅、雄信内駅、南幌延駅、下沼駅、兜沼駅、抜海駅
石北本線
- 瀬戸瀬駅
抜海駅と恩根内駅は、今回の改正で廃止される予定だったが、地方自治体の援助により存続が決定した。
まとめ
今回の改正では、あまりいい方向への改正は少なかった。
これは北海道の鉄道路線の利用者減少の効果を大いに受けているものと言える。
利便性が向上したものもあれば、利用者数に応じて減便をし利用がしづらくなったものもある。
しかし、その一方でH100系の導入など、いいニュースもあった。
みなさんも今走る鉄道路線を守っていくためにも、今一度「列車移動」を意識してみてはいかがだろうか。
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