最初の記事を何にしようか考えあぐねた結果、やはり地元のことがいいだろうということで、東海道線静岡地区に快速列車が不要な理由、を紹介します。
18きっぱーのみなさんならご存知の通り、静岡地区の東海道線は、「ほとんど」快速列車がありません。東海道線静岡地区を走る優等列車は、日本最後の定期夜行列車、特急サンライズ出雲・瀬戸、身延線から乗り入れる、特急ふじかわ、東京からやってくる、特急踊り子、乗車整理券330円を払うだけで18きっぷでも乗れる、ホームライナー、そして…快速。これらが運転されています。快速列車、あるにはあるんです。…一日に一便だけ、夜中0時すぎに…
ではなぜ、上記の列車以外、優等列車がないのでしょうか。
考えられる3つの理由
①利用客数の分布
まず、これを見てほしい。
これを見ると、下位2駅を除いたどの駅も、利用客が1000人以上、まとまった数いることが分かる。快速の通過駅として減便すると大バッシングを受けるだろう。また、静岡、浜松、三島(沼津)の間の需要は新幹線が担っており、在来線は地元の需要を拾う位置付けであることからも、必要ないことは明らかだろう。
②そもそも駅間が長い
静岡地区に存在する駅は熱海~豊橋の43駅。営業キロは189キロなので、平均駅間距離は4.5キロとなる。みなさんも静岡地区の普通列車は速いなと思ったことはないだろうか。それは事実で、表定速度は60km/hにもなるほど、静岡地区の普通列車は速い。駅間では110km/hで爆走する211系のモーター音を聞くことができる。「普通列車」という前提がなければ、そこそこ気持ちいいテンポで進んで行くように感じられるだろう。
③競合会社がいない
JR東日本区間では新幹線(JR東海)、小田急、京急、JR西日本区間では同じく新幹線、阪急、京阪と競合し、特急や快速電車を運行している。JR東海も名鉄がいる名古屋地区ではJR西日本の快速に劣らない速度で名古屋岐阜間の表定速度は100km/hというバケモノ級快速列車を15分ヘッドで走らせているが、静岡地区には並走する競合会社がない。静鉄はそういう性質ではないし、天竜浜名湖鉄道は論外である。客を奪われる心配がない以上、快速列車がないのも必然というわけだ。
最後に
静岡地区に快速列車がない理由は分かっていただけただろうか。これは利用実態に合わせた最適なダイヤである。18きっぱーのみなさんも、こうした事情があることを知っていただけたら幸いである。静岡県にはたくさんの魅力がある。ただ通過するのではなく、途中下車して風土に触れてみるのも、旅の魅力なのではないだろうか。
私、古原急行の「東海道線静岡地区が嫌われる理由」