18きっぱーなどに好まれる特急型車両を使用していながら運賃のみで乗車することが出来る通称「乗り得列車」。

数々の列車がありますが、秘境駅ランキングにランクインする駅が多数存在するあの飯田線にも乗り得列車があったのです。

使用車両

飯田線の乗り得列車に使われる車両は静岡所属の373系。

豊橋駅に留置される373系

3両編成で東海道本線静岡地区のホームライナーや特急「ふじかわ」「伊那路」等に使用されている車両です。臨時列車に使用されることも多く、以前は快速「ムーンライトながら」にも使われていたので乗ったことがある人も多いのではないのでしょうか。

列車概要

飯田線の乗り得列車は次の通りです。

  • 1500M 駒ヶ根発天竜峡行き
  • 1505M 天竜峡発飯田行き

この2列車は313系や213系でもなく、特急型車両373系によって運転されます。

まずは1500M。

この列車は駒ヶ根を6時12分に出て、終点の天竜峡には8時11分に到着します。

途中の飯島駅では快速「みすず」長野行きと行き違いを行なうのでJR東日本の211系と373系のツーショットをとることができます。(みすず号は篠ノ井・信越本線では普通「みすず」ですが飯田線内は快速列車として運転されています。)

次に1505M。

この列車は天竜峡を8時16分に出て、終点の飯田には8時45分に到着します。

長距離列車が多い飯田線において比較的短距離運用の列車となり、走行距離は13.1キロ。

これは先程の1500Mの折り返しとなります。

運用から読み取る

これら2列車はなぜ存在し、1500Mに関しては飯田駅発ではなく駒ヶ根駅発なのか。

まず373系は、前日に特急伊那路3号で車両は飯田駅に21時00分に到着します。

ここで車両は駒ヶ根駅へ回送されます。

そして、翌日の特急伊那路2号への送り込みとして1500M,1505Mの2列車が存在するのです。

普通列車だからこその恩恵

この2列車は普通列車なのでもちろん全席自由席。

特急「ふじかわ」・「伊那路」では指定席となっているセミコンパートメント席も追加料金ナシで乗ることができます。(東海道線のホームライナーでは車内清算のみの席となっています。)

テーブルが付いていても肝心の座席はリクライニングしませんが…

373系のセミコンパートメント席

ちなみに、この列車の走る時間帯は通学時間で近隣の高校への通学に使う学生さんがいるので座れなかったからといってキレないでくださいね。

乗りたくても…

この2列車に乗りたくても前泊はしたくない……なんて思っているそこのあなた。

前泊は必須です。

始発に乗って間に合う駅は次の駅までなのです。

1500M

  • 伊那松島駅〜飯田駅

1505M

  • 中部天竜駅〜伊那松島駅

豊橋駅6時00分発の始発に乗っても天竜峡には9時08分着。

大人しく前泊しましょう……

分断されても走り続ける

令和2年7月豪雨の土砂崩れで飯田線は水窪〜平岡で長期運休を余儀なくされました。

平岡以北に留置していた車両は大垣や神領といった車両区に戻れない事態となり、使用車両も変更されていました。

駒ヶ根に留置されていた373系 F6編成も北部に閉じ込められることに。

そのまま271系のようにニートになる……事はなく1500M,1505Mは373系での運用で運転されました。

乗客のために走り続けて、9月28日に飯田線は全線運転再開し、373系は約2ヶ月ぶりに静岡車両区に戻ったのでした。

まとめ

飯田線の車両はボックスシートと転換クロスシートの車両が主ですが、18きっぷ旅の途中で373系のリクライニングシートに乗ってみてはいかがでしょうか?

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