札幌、仙台、広島、福岡。それぞれ各地方の大拠点となっている都市、地方中枢都市である。 それぞれ地方の中心ということや、人口100万人を超えていることもあり交通も発達している。
今回は、各地方中枢都市の交通事情(市内の交通、長距離交通手段)について解説していき、長距離交通と地方都市の発展についての関係性についての考察もしていこうと思う。
札幌市
まず札幌市。
北海道地方の大拠点となる都市である。人口が195万。人口が534万人の北海道において、ほぼ200万の人口を擁する札幌市はまるで日本全体における東京を表しているようである。
さて、そんな札幌なのだが、交通インフラに関してはとても充実している。
札幌市交通局の存在
やはり札幌の交通を語る上で札幌市交通局について忘れては行けない。
札幌市交通局は、札幌市内に地下鉄3路線と市電1路線を走らせており、言わずもがな札幌市民の「足」となっている。
それは市民の生活にも多く馴染んでいて、さっぽろ駅(地下鉄)は16万4500人、大通駅も16万1700人の乗降客数を誇る。 その他地下鉄駅も高い利用者数を維持しており、これはJR札幌駅が20万人の後、2位の新千歳空港が3万5000人であることを踏まえるととても高いと言える。
札幌市営地下鉄は3路線で構成されており、それぞれ市民の生活に密着して市民の移動を支えている。
そして市電。環状路線となっており、繁華街であるすすきのから藻岩山への玄関口であるロープウェイ入口駅など、様々な場所を結んでいる。
バス路線
札幌近郊ではじょうてつバス、ジェイ・アール北海道バス、北海道中央バス、夕鉄バスといったバスが多く走っており、市民の足として公共交通を支えている。路線網は非常に強く、地下鉄や市電の補完として市民に重宝されている。
札幌〜他都市へのの長距離交通
※ここでは便宜上札幌から道内、他地方中枢都市への長距離交通については触れないものとする。
札幌から東京、大阪といった大都市へのアクセスは基本飛行機で行われる。
札幌近郊の空港といえば新千歳空港と丘珠空港があるが、丘珠空港は道内4空港、そして地方4空港にしか就航していないため、あまり長距離交通において重要なものとは言えない。
そして国際線も就航し北海道の特大ターミナルとなっている新千歳空港。
東京(羽田/成田)〜新千歳便は日本全国の国内線でも大きい役割を担っており、羽田から新千歳間の路線は日本の国内線輸送人数2位に君臨している。大阪(伊丹/関空/神戸)方面線も大きい役割を担っている。
LCC各社、スカイマークやAIRDOと言ったLCCでは無いものの運賃が安い航空会社も多く就航しており、その点東京や大阪といった都市へのアクセスは抜群にいい。
そんなこの空港なのだが、札幌近郊の札幌市街地から40~50kmの距離があり、正直立地的には不便と言える。
しかし、札幌からの長距離交通アクセスは便利と言える。 その秘密は、その距離をカバーする利便性の高いアクセスにある。
代表的なものとして挙げられるのは、JR北海道が運営する快速列車、「エアポート」。
この区間を37分で結ぶというアクセスの良さは、この距離感を大きくカバーしてくれている。バスでも1時間ほどかかるこの区間では、空港アクセスにおいて鉄道利用がとても多く、千歳線沿線の札幌方面への通勤客も多いため快速エアポートの本数も毎時5本と多数確保されている。
札幌特有の気候による交通への影響
札幌は亜寒帯気候なため、冬は極寒となる。雪も降り積もり、当然交通にも影響が出る。
鉄道はある程度の雪には対応し、ちょっとの雪では止まらない程度にはされてるが、やはり除雪において道路よりも労力・時間を要することが多く、また線路のスリップなども懸念されるためよく止まる傾向にある。
そのため、冬はバスの利用率が全体的に高いイメージがある。ただし、バスも当然路面凍結、積雪による除雪も多くされるため遅延も多くなってくる。
その点、札幌市営地下鉄は地下路線なので遅延しにくく、市民の貴重な安定的な冬の足としても重宝されているような、そんなイメージがある。
航空においてはやはり国際線も通ってる上ターミナルでもあるので新千歳空港はあまり止まらないとは思うが、しかしそれでも積雪が酷いとやはり運休となることがしばしばある。
航空では旭川空港が異次元の出航率を誇り、止まらない空港として新千歳の第2拠点として、また第2の北海道の中心空港としても期待がなされている。
仙台市
仙台は東北地方一の都市で、100万人の人口を擁する。
市内交通としては地下鉄、せんだい市バス、宮城交通といったバス路線の他、JR各線、そして仙台市街地周遊の観光バス「るーぷる仙台」というものもある。
仙台ではバス・鉄道を使った社会へと少しづつではあるものの変わってきており、公共交通のインフラも充実している。流石と言ったところだ。
仙台市営地下鉄
やはり仙台の市内交通を語る上で最も重要と言っていいのがこの仙台市営地下鉄。
南北線、東西線の2路線に分かれている。 それぞれ仙台駅で交差する形で路線を形成している。
南北線が太白区の八木山動物公園駅から仙台駅を通り若林区の荒井駅を、東西線が泉区の泉中央駅から若林区の富沢駅を結んでいる。
南北線では新型車両、3000系のデビューが決まっており、東西線でも2015年に2000系がデビューしている。
JR線
仙台圏のJR線もかなり発達している。
仙台圏唯一の直流電化路線である仙石線。車両は古い205系が使われているが利用者数は多く、仙台駅からほど近くに位置するあおば通駅の乗車人員は22745人(2019年)と仙台駅に次ぐ宮城県第2位を誇る。
では第3位以降はどうかと言うと、次に多いのが名取駅(宮城県名取市)の13497人。東北本線・仙台空港鉄道線(仙台空港アクセス線)の駅で、仙台の主要ベッドタウンとして役割を担っている。
その後は南仙台、長町と続く。仙台駅を中心とした仙台市中心部に続く副都心として機能されている地域で、ここも地下鉄JR含め多くの人々が行き交う。
多賀城と言った仙石線沿線の北側のベッドタウン、そして楽天生命パークなどを擁する宮城野原駅なども上位にランクインしているのだが、宮城県JR乗車人員ランキング上位に入っているのは多くが東北本線である。
これは、かつて宮城電気鉄道として運行していた仙石線の駅数の多さ(=客の分散)に因するものと見られる。ただ、かつては私鉄であり地域に密着した路線であったことから仙石線は東北本線や仙山線と言った他路線に比べて利用者も多く、賑わっている印象がある。
東北本線や常磐線沿線でも再開発が賑わっており、更なる市内鉄道交通の発展に期待したい仙台市である。
仙山線は途中までは市街地が続くが、仙台の山奥へと途中で入っていき、通勤路線と言うよりは郊外路線に近い雰囲気となってくるが、開発も行われているようで、同様これからに期待がかかる。
バス路線
仙台近郊ではせんだい市バス、宮城交通と言った路線バスが多く走っており、こちらも鉄道路線の補完的な役割を担っている場合が多い。また、鉄道が走らない地域をカバーしながら地域住民の足として支えている。
仙台のバスは周辺駅へとアクセスする補完的な役割を担う路線も多くある他、都心から放射状にバス路線が伸びる路線が多いのが特徴で、市街地やそれに近い場所、宅地付近では利用者も多い。
ただし、離れれば離れるほど利用数が激減し、収支的にも決していいとは言えないのが現状ではある。
中心部から離れれば離れるほど車社会が顕著に現れる仙台市においても、公共交通利用促進についてはしっかりとして欲しいものだ。地域住民にも、貴重な公共交通を残すために是非乗車をして欲しいものである。
長距離交通手段
仙台から東京、大阪といった大都市へのアクセスは比較的良好と言っても良さそう。
まず東京なのだが、圧倒的に新幹線を使う人が多く(そもそも飛行機をその距離で使うという手段が全国的に少ない)、JR東日本でも多くの割引を実施しており使い勝手は良い。
仙台から東京は1万円少しかかるのだが、それをJR東日本が運営するサイト「えきねっと」のお先にトクだ値と言った割引を使えば、10%~35%程の割引が効くため、それを使ってから安く東京へと行く人も多く、また東北新幹線の速達性なども相まって仙台〜東京間の新幹線アクセスはとても良いと言っていいだろう。
まず距離が比較的他の地方中枢都市に比べ近いというのもあるかもしれないが、何より割引が充実しているというのとその速達性は何物にも変えがたい。
そして大阪近郊。関西方面へは飛行機を使ったアクセスが主流で、伊丹空港へはJAL・ANAといった大手、神戸空港へは絶妙な時間帯にスカイマークが、関空には格安航空会社であるPeach航空が就航している。
そして大阪・東京とは逸れるのだが同じ三大都市である名古屋方面へは太平洋フェリーが仙台港〜名古屋港の間で運行されており、そちらも自動車利用者を中心に需要が高い。
また、東名阪ともに高速バスも運行されているが、高速バスが便利と言っていいのは東京のみと言ったところ。
名古屋や大阪となってくると距離も長く、わざわざ夜行で行くよりも朝早く飛行機で行った方が安く早い場合もしばしばと言ったところだろうか。
広島市
広島は特殊な地形な中様々な交通手段があり、ここが地方中枢都市の中では1番の見所ではないだろうかと個人的に思っていたりする。
120万人の人口を擁する中四国地方の中心都市、広島。交通の拠点は若干お隣岡山県の岡山市に頼ってる部分も無きにしも非ずだが、広島の交通も負けちゃいない。解説していこう。(バス路線については省略)
広島電鉄
広島電鉄なしでは広島の交通どころか広島という都市自体語れないと言っても過言ではなかろう。
それほど、広島市には「広電」、路面電車の存在が非常に根強いのだ。
ただ、路面電車が地下鉄やバス路線にどんどん淘汰されていく中でなぜ広島電鉄は残ったどころか進化を遂げていくのか。これには広島の地形に因する重大な交通を作るにおいての欠点が関係する。
広島市街地が三角洲であることだ。(三角洲についてはおそらく小中学の理科で習っていると思うので省略させていただく。)
広島の市街地の地形が三角洲であることはつまり何を意味するかと言うと、地盤があまり強くないこと、つまり地下鉄が建てられないということを意味している。
広島はまともな地下鉄こそないものの120万都市。かなりの交通量も擁する。
本当であれば市電なんぞ廃止すべきではあるのだが、地形故に路面電車が発展し、今も路面電車中心の交通が続いているのである。様々な連接車等も作られ、今後も発展が続きそうな未来ある路線だ。
また、広島市の特徴として広島駅が市街地から離れているというのも特徴だろう。(もちろん広島駅周辺も栄えているが。)
この路線図を見てもわかるように、広島市の中心部は本通や紙屋町周辺となっている。
道路交通基準で拠点を形成しているのもなんとも路面電車、広島電鉄らしい側面とも言えよう。
また、余談ではあるのだが最近広島電鉄広島駅を高架化しようという計画も持ち上がってるようで、発展に発展を重ねる路面電車(もはや路面電車なのか)に期待が大きい。
アストラムライン(広島高速交通)
こちらはAGT(案内軌条式旅客輸送システム)、いわゆる新交通システムの路線であり、地下鉄として認定されている区間があるため広島唯一の地下鉄と言ってもいい路線である。(完全な地下鉄ではない)
広島市中心部(先程説明した本通)から広島市北西部へと伸びる路線で、元々計画がなされていたが1994年広島アジア競技大会の開業に合わせて全区間が一斉に開業した。
本通駅から新白島駅の間の1.9kmが地下となっていて、そのうち本通駅から県庁前駅間の0.3kmが鉄道営業法に基づいて「地下鉄」と認定された区間である。
その他高架や地下、地上を走る区間もあるがそれらは全て軌道法に基づいた「軌道」区間である。
朝ラッシュ時は6~8分に1本と高頻度な運転が行われる他、サッカー大会が行われる際は合わせて臨時列車の運転も行われる。
2004年までは急行運転も行っていたが、今は行われていない。一日平均6万人程が利用するそうで、西部副都心への延伸計画もあり、今後の発展に期待がかかる路線でもある。
JR
広島含む中四国地方のJR路線の最大の特徴は、拠点の駅が中心都市である広島ではなく岡山にある事だ。
どういうことかと言うと、陰陽連絡路線である津山線、伯備線の拠点が岡山にあることと、四国と本州を結ぶ本四備讃線(瀬戸大橋線)の拠点が岡山にあり、また新幹線で東西への移動もできるため岡山が実質的に拠点となってしまっているからだ。
ただ広島が衰えているのかと言うとそういう訳でもなくて、JR西日本が新型車両導入を渋っている中国地方の山陽本線普通列車区間の中でも唯一広島地区だけは新型車両227系が導入されている。
導入された経緯に関しては様々な説が囁かれているが、山口地区や岡山地区といった区間よりもやはり利用が多い広島に入れるのが重要視されたのではないかと筆者は予測する。(様々な意見あればツイートにて共有いただけると幸いです。)
広島にもさまざまな路線が乗り入れており、山陽本線・山陽新幹線の他、呉線、可部線、芸備線といった路線がある。
長距離交通手段
やはり三大都市と陸続きも言うのもあり、高速バスに関してもある程度充実している。
相場もそんなに高くなく、高速バスの利用も多いように思える。
昼行の交通手段においてはやはり新幹線が主役。新幹線が主役という面では仙台に似てるような気もするが、3つ仙台と違う点がある。
1つはどこに行くにおいても新幹線が主流ということだ。これは単純に距離的にそうなるという理由もあるのだが、とある重大な訳がある。後述の3つ目の理由と関係している。
そしてもう1つは割引が東北新幹線含む東日本の新幹線に比べて、圧倒的に少ない事だ。
エクスプレス予約というサービスがあるが、これは会員制な上年会費もかかるのであまり東日本に比べて物足りないというのが実情。
ICカードで乗車をする、年会費はかからないもうひとつのサービスであるスマートEXも割引はあるものの、ほとんどが切符を買う方法の手数料を引いたような微量の割引で、やはりこっちも物足りない。
3つ目は、空港が圧倒的に利便性が低いということだ。
これは空港自体の利便性が低いとかそういうのではなく、単純に立地と就航航空会社が少なく安く飛ぶことがあまり簡単ではないということである。
空港は広島県三原市、広島市中心部からは50kmもかかる。その程度の距離であれば成田空港などもあるように鉄道などのアクセスは容易だと思う。
しかし、ここに広島空港の立地においての最大の欠点がある。
それは、他の地方中枢都市の中心空港にはアクセス駅があるのに対し鉄道駅がないことである。もちろん最寄りと呼べるような近い駅も無いに等しい。
それならバスで補えばいいじゃないかという結論になるかもしれないが、空港へは広島市中心部から1時間以上かかる上料金もあまり安いとは言えないのである。
これらの広島空港のアクセスの悪さなどが広島において飛行機の利用が増えず新幹線の利用が多い原因でもあり、先述したどこに行くにも新幹線が主流であるという理由の一つでもある。
福岡市
西鉄
福岡において西鉄は別格の存在。
福岡の生活を語る上で西鉄というのは切っても切れないものと言っても良いのではないか?
なぜ西鉄が別格なのかと言うと、鉄道網以外にもガッチリと市民の生活に密着したことをしているからだ。
西鉄は、九州唯一の大手私鉄となっている輸送力を持つ鉄道路線、市内の津々浦々に至るまで伸ばされたバス路線、九州内外の様々な都市を結ぶ中長距離バス、数々のビル等を運営する不動産事業など、本当に福岡の生活に染み渡っている事業を沢山行っているからだ。
歴史的経緯もあり、発展を遂げる福岡で、集落と駅を結ぶ中で作られた200近い中小バス会社を力を持った鉄道会社である西鉄が合併していくことで、ここまで力をつけた。
それは福岡の生活にかなり浸透しており、福岡に住む筆者の縁者が地下鉄も便利だがバスがいちばん利便性が高いと言っていたのは耳に今も記憶されている。
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福岡市地下鉄
バスよりは影薄いものの、何かと便利なのが福岡市地下鉄。福岡市営地下鉄ではない。福岡市地下鉄だ。(真顔)
空港と駅を結ぶ利便性、そもそも空港が市内中心部からだいぶ近いというのもあるのだが、空港から市内中心部への交通手段としては主に地下鉄が強いと言えよう。
ご覧の通り福岡市内中心部である天神で七隈線(緑)と乗り換えできる他、中洲川端駅から箱崎線(青)に直通する列車もあり、また姪浜駅からはJRに直通する列車も運転されている。
JR路線
福岡通勤圏のJRは鹿児島本線、香椎線、そしてJRと直通する筑肥線、福北ゆたか線といった路線があり、赤い塗装が特徴の817系、そして黒い塗装が特徴の813系がそれぞれ走っている。
特徴としては地下鉄と連携した鉄道システムが挙げられ、直通運転はそれの大きな現れと言えよう。
また博多駅は天神と並ぶ市内中心部であると同時に九州への玄関口としての機能もしており、数多くの特急、そして九州新幹線・山陽新幹線が発着する。
長距離交通手段
福岡では、新幹線の利用も多いが飛行機が主流のように見える。
それもそうだ、福岡空港は本当に様々なメリットが重なっていて、飛行機に乗りやすい環境にある。日本の政令指定都市では1番空港アクセスが容易な都市と言っても過言ではなかろう。
理由は前述の通り、とにかく空港が近いというのが大きい。
地下鉄でわずか6分。博多は福岡空港駅からわずか2駅である。抜群の立地、そして空港機能が強力であることも挙げられるだろう。
国際線も多数運行してる上、福岡空港から東京(羽田・成田)に向かう便は新千歳を上回る国内線1位の本数を誇り、JAL・ANAやスカイマークの他、LCC各線も多く就航していて、利用者としては抜群に利用しやすいだろう。
ただ鉄路が劣っているわけでもなく、JR九州の特急路線網は全国でもトップを争うほど強く、九州内では西鉄バスと大きな競合を繰り広げている。
また山陽新幹線で大阪へ行く人も多い。
高速バスとしては大阪への路線は多いものの東京へ行く路線は若干貧弱な印象がある。
やはりLCC・格安ビジホの台頭は長距離交通において大きな影響を与えている。
長距離交通の充実と地方都市の発展の関係性
この調査を通して、長距離交通の充実性と地方都市の発展はどういう関係があるのか興味があり、少し考えてみて余談で短文はあるが考察してみることとした。
自分は長距離交通が充実すればどのようなメリットがあるのか考えてみて、実証してみることにした。
メリットとして考えつくのは、観光需要の増加である。
空港アクセスが充実した札幌市の、新千歳空港駅が開業し、LCCが就航開始した1990年代中盤辺りからの数値を見てみる。
1998年の時点で1308万人。ここから、若干下がる年などもあったものの緩やかに伸びて、2019年時点で1585万人を叩き込んでいる。
外国人観光客の割合も増える中で、やはり空港アクセスというのは観光客数にも大きく関係してくるのではないかと考える。
対して広島市。空港アクセスがあまり充実しているとは言えないこの都市だが、新幹線の発達により修学旅行での来訪の割合が年々多くなってきている。
新幹線は年々進化してきており、それが修学旅行などでの利用者を増やす要因にもなっているのかと予測する。
そしてデメリット。
自分はまず、アクセスがしやすくなることによって、大都市への人口流出が加速するのではないかと予測した。
そこで、札幌市の集計データを調査してみたが、ここ20年間のデータを見ていても流出は少なくなっており、予想と反する結果となってしまった。
次に広島市である。
広島市は、全般的には転入・転出は減る一方で、関西圏や首都圏への転出は増加傾向にあると言う。
これに長距離交通が関係しているかは分からないが、こちらも予想と反する結果となり、個人的には驚いた。
ではなぜこういった結果となってしまったのかを簡単に考えてまとめてみる。
自分はアクセスがしやすくなることによって大都市への人口転出が減ると考えたのだが、やはり逆なのではないかと考えた。
アクセスが難しくなることによって大都市圏への移住への需要が高まり、そこで人口転出が増えていくのではないかと言う解釈をした。
しかしながら、新潟や金沢など新幹線の開業により東京の影響下となってしまい、自らの都市圏としての権威が薄れたという例も中にはある。
長距離交通が便利になることはもちろんいいことなのだが、なんでも首都圏方面へ結べばいいことになるという訳では無さそうだ。
最後に
最後まで見ていただきありがとうございました。今回の記事制作において様々な方に写真の提供を頂いたこと、誠に感謝申し上げます。
また、この度の調査で得られた知識などを今後の記事制作にも積極的に取り入れていきますので、どうか皆さん今後も記事を見ていただけると嬉しいです。
それでは、これで終わりとさせていただきます。誤字訂正等ございましたらTwitterDMでお願い致します。 ありがとうございました!