フリー切符は旅の強い味方。使う理由のほとんどが、「安いから」だと思います。しかし、それは会社にとって利益になるの…?と思う人もいると思います。という訳で、今回はフリー切符のもたらす影響について考えて行きたいと思います。

東急HPより

さて、東急を例に挙げましょう。東急のワンデーパス(東急線内の1日乗車券)は、680円(大人)です。東横線だと、渋谷~横浜間の運賃が280円(大人、切符)なので、1.5往復程度で元が取れる計算になります。ちなみに特急だと片道30分弱程。初乗り運賃が130円なので、4回途中下車するだけでもほぼ元が取れることになります。田園都市線だと、中央林間までは340円(大人切符)なので、こちらは往復するだけで元が取れることになります。急行で片道40分弱。

通常フリー切符を使うとなれば、長距離間の移動か、何度か途中下車することが多いと思われます。東急のワンデーパスほど安いと、無理せず元が取れますね。しかし会社側としては、途中から無賃乗車されているような状態…なんですが、ここがミソです。

鉄道会社の利益の指数にも使われる”営業係数”というものがあります(100円稼ぐのにx円かかる、というもの。当然xが小さいほど利益が出る)。10両編成の列車を動かして、500人が乗るのと、50人が乗るのとで、勿論売上に差が出ます。地方のローカル線なら、(そもそも10両編成などあり得ませんが)列車の長さ、つまり車両数を減らして、例えば2両編成で走らせます。これは何をしたかというと、1列車(運用)あたりのコストを削ったのです。これは売上から引かれる、一般の商品で言えば原価にあたるものを減らそうという試みです。しかし、都会の鉄道で、いつ何人がフリー切符を使うか分からないのに、コストの削減など出来るはずがありません。では無賃乗車状態の人は放置しておくのか…?

そんなことはありません。1列車のコストが変動しないとして、変えられるのは運賃による利益です。つまり、沢山客が乗ると切符が売れて利益が入るという、そんな当たり前なことは置いておいて、フリー切符も運賃です。何が言いたいのかというと、例えば先ほど、ワンデーパスは東横線1.5往復で元が取れると言いましたが、つまりフリー切符1枚で、東横線渋谷~横浜間の片道切符が4枚+αだけ売れたと言い換えられるのです。

仮に東横線で10両編成の列車を動かすコスト(人件費など諸々込みで)をMCとします。利益を出すためには、当然MC以上の売上になる必要があります。基本的にこの売上を普通の切符のみで稼ぐと、すなわち、乗客の大半が普通の運賃を払っている状態で売上がMCを越えると、基本的に他が何人無賃乗車状態でも利益が出るのです。フリー切符はここの折り合いです。例えば200人(普通の運賃で)乗ればMCになる、という時、乗客300人のうち250人が普通運賃なら、残りの50人が無賃乗車状態でも、損をすることはありません。ただし、全員普通の運賃の時より利益が下がります。なので不正乗車はしっかり取り締まる所がほとんどなのです。しかも、地方のローカル線等ではこれが死活問題です。こんな所で言うのもなんですが、不正乗車はしないようお願いします。

…話を戻して、つまりフリー切符は、フリー切符を使わない人、むしろフリー切符だと損をする人などでバランスを取った上にあります。なので採算が怪しくなると値段を上げたりするのです。フリー切符の利点は、勿論使う側では安く移動出来る、ですが、会社側にとっても、沿線の活性化などがあるのです。そんな訳で、折角フリー切符があるのですから、罪悪感0で出掛けに行きましょう。…今のご時世だと厳しいですが。

掲載画像:東急ホームページ、中の人撮影

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