題名の通り、2022/12/9に幕張豊砂駅の工事現場に行って来たので現状を報告しようと思う。

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現況を画像と共に

駅外部

幕張豊砂駅外部の進捗について以下の3枚の画像を見てほしい。

駅舎
画像1.駅舎(イオンモール幕張新都心ファミリーモール3階より)
画像2.駅舎(地上西側より)
画像3.上りホーム(東京方先端付近の地上より)

現状、駅施設自体の工事はほぼ完了し、駅周辺の整備が主体となっている。駅施設は改札機・券売機・精算機・発車標・ベンチの設置が終わっていないが、直前になって設置されるかと思われる。ロータリー部、残る工事は舗装とサインなどの設置のみか。舗装の工事は6割~7割終了した頃合いか。なお、ロータリーと周辺道路との接続部は工事が終わり、一時的にあった転回路は撤去済。

駅内部

内部についてもまずは以下の4枚の画像を見てほしい。

画像4.2番線東京方の駅名標
画像5.番線標
画像6.武蔵野線車両の乗車位置に関する案内&新型JVC横長スピーカー
画像7.誘導標(2種類)

全体的に明るく開放的な印象を受けた。ラチ内コンコースの壁には木目調を取り入れている。サインシステムのものよりも色調は暗い。前項で述べた通り発車標・ベンチは未設置。エスカレーターやエレベーターは日立製っぽいがこれ如何に。1番線とコンコース間の連絡は階段(7段程度)とスロープ。流石にエレベーターを設置しても、時間はかかるうえに費用も馬鹿にならないみたいである。

気になった部分をピックアップして考察してみる

①バス関連

ロータリーは駅東側に設置される構造である。それが2か所に分かれており、イオンモール側はバス用、駅側はタクシー・一般車用として運用されそうである。一方、駅西側にバスを留めておくスペースがあるが、処遇は不明。撮影日現在、ここにイオンモール幕張新都心ファミリーモール前バス停があるらしいがそのような掲示は見当たらず。特段通行制限はなかった。系統再編も各方面で行われそうだ。海61や津46、イオン31やイオン65などが特に気になるが・・・

②サインシステム

当駅に設置されたサインシステムは最近よくある非電照式のものになっている。特筆すべき点としては一部が前例のない形状のものとなったり、エスカレーター付近のものを除き、木目調の縁取りが施されていたり、一部が角を切り落とされて五角形になっていたりしたことである。それ以外では大それたことはしていないようだ。

現行のものと比較すると、向きを強調することで遠目でもどちら側に”何か”があるのかがわかりやすくなった。一方、形状が複雑化したことで規格制定がより複雑化した可能性がある。

何故か矢印の形状が変化し、丸っこくて細いものになっている。JRでもなかなか見ない形状であるが、その意図は不明。イオンと歩合を合わせたとも考えにくい。どうしたものか。

番線標を見ると、白色に変更されている。これは天王台駅が発祥と言われている。新駅に限れば高輪ゲートウェイ駅も、電照式とはいえ番線標が白色である。なお、2階建てではあるが、さほど複雑な構造ではないせいかフロア表記はない模様。しかし、相も変わらず路線名を強調する表示となっていて、不慣れな人にとっては微妙にわかりにくい仕様だと受け止めることも可能である。武蔵野線は知名度が低めで、この周辺の鉄道事情を知らない人にとってはこれがどこに行くかよくわからないような印象を受けると推察される。この項の最後に秋葉原駅の番線標を掲載しておく。

木目調の縁取りは普通にお洒落な印象を受けた。

画像8.(参考画像)秋葉原駅5番線の番線標

③改札機はQRコード対応か?

先日、QRコード対応の新型改札機導入に関するプレスが発表された(下記リンク)。内容によると2022年12月から順次駅の自動改札機をQRコード対応のものに更新するとのことである。丁度、当駅が開業する頃にQRコード乗車券に関する大きな動きが出始めることとなった。そのため、この流れが当駅に波及し、最初からQRコード対応の改札機が設置される可能性がある。しかし、これに関しては情報がなく、推測の域を出ない。開業までのお楽しみになるだろう。

https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221108_ho03.pdf

④結局、京葉快速は停車するの?また武蔵野線直通はどうするの?

これについては個人の独断と偏見が大量に含まれている。決して鵜呑みにしてはいけない。

これの考察については駅を取り巻く環境を整理しなければならない。

当駅の周辺には、イオンモール幕張新都心やコストコ幕張店に千葉県免許センターなどが存在する。ただ、この駅は駅北側からのアクセスはなく、駅北部に用がある乗客にとっては何の役にも立たない可能性が高い。そのため、集客要素は駅南側のみと見なしてもよいものとしよう。そうなると、集客要素として考えられるのはイオンモール幕張新都心とコストコ幕張店とホテルメッツ幕張豊砂、少し離れた幕張メッセへのイベント輸送の一部を含むくらいかと考えられる。ただ、「これらは単体で相当な集客力を有している」ことに留意しなければらない。

また、千葉市から「幕張新都心豊砂地区地区計画」たる計画が公表されている(下記リンク)。これによると豊砂地区は業務市街地という、住宅建設ができないような用途として開発されることとなる。つまり、「幕張豊砂駅から電車に乗って通勤」ということはごくまれということ、もっと言えば「日常的に幕張豊砂駅から電車に乗る人はごく少数」である。もっとも、バス併用を含めればそこそこ存在するはずではあるが。このため、通勤ラッシュでも乗客は他駅よりもやや少ないと予想。平日・休日問わず、特に朝方は各種店舗が軒並み閉まっているため通勤輸送で降車が多数になる可能性がある。また、イベントが開催前であるためイベント輸送では降車が殆どであるのは言うまでもない。一方、昼間は店舗が開いていることとイベントへの出入りで人が多く行き交う。特に休日ともなれば相当な数の人が押し寄せてくる。夕方は勤務地や店舗やイベントからの帰宅で乗車が多くなるだろう。夜間になると帰宅のため降車は殆どなくなり、乗車が中心になるだろう。

このため、乗客の流動は南船橋駅と新習志野駅を足して2で割ったようになると予想する。要約すると「通勤需要よりも娯楽需要で成り立つ・通勤客はバス併用」のような感じである。

環境の整理はここまでにして、結局京葉快速は停車するのか・武蔵野線直通は来るのかについて話そう。結論としては「京葉快速は最低でも休日は停車・武蔵野線直通は武蔵野線の編成数次第だが、乗り入れるべき」だとしよう。快速利用者からすれば、幕張豊砂駅の扱いにやや面を食らうような構図になりかねないが、快速2本/h体制であればそこまで深刻な影響を及ぼさないと判断した。集客力も最低でも休日は快速停車に見合うとした。こうするにさしあたっては朝の処理に悩んだが、イベント輸送を考慮すれば停車する価値は充分にあると見たので、特段のことはしなくてよいとした。また、南船橋~海浜幕張は新浦安以西での混雑がぶり返すような状況にあるので、武蔵野線直通による補強を要するとした。結果発表はダイヤ改正のプレスが出る12/16頃である。発表が楽しみだ。

https://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/keikaku/gaiyou/documents/06makuhari-toyosuna.pdf

まとめ

駅の工事は殆ど終わり、あとは細かい調整というところまできた。各所で新しいことに挑戦してみたり、少し変わったロータリーだったり、旅客構造が特殊になりそうだったり、運行形態への影響がどこまで及ぶかわからなかったりするなど、各所で気になることは多々あるが、それでも期待の新駅であることには変わりない。今後の発展を祈り、今回の結びとする。また今度、どこかでお会いしたい。

余談

①幕張豊砂駅を通過する列車たち

この日、調査の合間に2本の列車の通過シーンを撮影してきたので掲載する。特に各駅停車の通過シーンは今後貴重になるだろう。

映像1.1110A快速東京行(千ケヨ551+千ケヨF51)の通過シーン
映像2.1231Y各駅停車東京行(千ケヨ513)の通過シーン

②JR東日本地上駅のスピーカー事情

現在のJR東日本の高架駅を含む地上駅では、個人的な体感ではあるが(特に千葉支社では)JVC製のスピーカーが主力である。他にはユニペックスやFPS製も出ているようだ。ただし、今回はこの2社については深入りしないでおく。

そんなJVC製スピーカーは、ここでは主にVOSS系統と横長の2つに分かれる。

画像9.小VOSS@八日市場ラチ外コンコース
画像10.小丸VOSS(初代小丸VOSS)@八日市場2番線

画像11.新型小丸VOSS(2代目小丸VOSS)@八日市場1番線

VOSS系統はこの3種類。小VOSSは今ではそこそこ古い部類に入っているうえ音質がよいため、録音したい場合は早めの録音を推奨する。小丸VOSSは2022年3月に生産終了した。音質はそこまで悪くないようだ。VictorロゴとJVCロゴの2種類あるが、写真は古い方のVictorロゴ。新型小丸VOSSは2022年3月に登場したばかり。重耐塩仕様に進化し、新技術がふんだんに盛り込まれた、JVC社の自信作。しかし、音質は下がったようだ。現在は大きな駅での駅員による放送向けで使用されていることが多いが、主に郊外の駅では自動放送用で採用されていることがある。後に区分けのための表記が変化するかもしれない。

画像12.JVC横長(初代JVC横長)@西船橋11番線
画像13.新型JVC横長(2代目JVC横長)@誉田3番線

横長は主に首都圏などの比較的利用者が多い駅で頻繁に見られる。ただし京葉線内では目にする頻度がやや落ちる。指向性が高いため、大抵VOSS系統よりも音質は下にある。初代は主に従来の小VOSSなどを置き換え、音害を抑える目的で導入された。音質の良し悪しが激しく、放送装置次第と言われている。なお、「千葉支社では塩害対策でJVC横長を積極的に採用した」との情報がある。後に新型小丸VOSSが出たことでこれが変化する可能性は高い。これと同時に出たのが2代目にあたる。こちらも従来の小丸VOSSなどを置き換え、音害を抑える目的で導入されている。まさに今回幕張豊砂駅に設置されたスピーカーがこれである。重耐塩仕様に進化し、新技術がふんだんに盛り込まれた、これまたJVC社の自信作。こちらも新型小丸VOSSと同様に先代よりも音質が下がっている模様。