まずはプレスリリースを貼っておく。事情により房総地区を先に紹介する。この記事には筆者の主観が混じっている箇所があるので注意。

https://www.jreast.co.jp/press/2022/chiba/20221216_c01.pdf

①総武本線・成田線

画像1.プレスリリース4ページ
画像2.プレスリリース5ページ

まず、209系が成田空港に乗り入れる列車が3往復増加する。これは総武快速が減便することの救済と思われる。東京方面から成田空港へ向かう客が京成に流れそうで心配だ。

次に総武本線の夜の時間帯の列車に関して行先変更・時刻変更が伴う。その関係で成東~横芝で終電繰り上げも行われる。現行に対する行先変更の内訳は、1397Mが成東→横芝、3321Mが成東→八街、3323Mが横芝→成東となる。また、そのうち1397Mについては平日に限り成東で4013M特急しおさい13号から接続を受ける。実情を考えるとやむなしかと思うが、最終1本前よりも最終列車の方がより遠くまで行く形態はそのままのようだ。さらに今改正で八街行が定期列車として設定される運びとなった。

最後、成田線の夜の時間帯の列車については現行の1483M~1478Mの1往復の運転を取りやめる形となる。

参考程度に。こういったダイヤ改正のときの「運転本数を見直します」といった文言があったときは大抵減便を伴う。

②内房線・久留里線

内房線の夜の時間帯の列車に関して行先変更・時刻変更が伴う。その関係で館山~千倉で減便・終電繰り上げも行われる。現行に対する行先変更の内訳は、1125M・1133Mが千倉→館山、1129Mが館山→千倉となる。

ちなみに、内房・外房・総武・成田・東金・鹿島線は朝の時間帯から夕ラッシュにかけては特に両数変更・時刻変更などはない。比較的地味なダイヤ改正となるだろう。

久留里線では朝に存在する4両運用が消滅し、すべての列車が最大3両になる。どこか寂しさを感じるような両数変更である。

対象列車は以下の通り。

下り
木更津18:53→久留里19 :39
木更津21:46→久留里22 :3 2
上り
上総亀山6:56→木更津8:02
久留里20:40→木更津21:23

③西船橋エリア

画像4.プレスリリース2ページ
画像5.プレスリリース3ページ

西船橋駅利用者にとってはかなり嬉しいダイヤ改正になるだろうと言わんばかりの内容である。

まず朝ラッシュから。東京方面では、西船橋7:26発10両編成の東京行を増発、西船橋8:01発8両編成の東京行を海浜幕張行に変更、その代わり西船橋8:02発10両編成の東京行に変更する。海浜幕張方面では先程触れた西船橋8:01発8両編成の東京行を海浜幕張行に変更して増発。その他西船橋6:48発と8:31発は数分繰り下げたうえで海浜幕張行に変更する。

次に夕ラッシュ。東京方面では、東京18:11発10両編成の西船橋行を増発する。海浜幕張方面では、海浜幕張18:20発10両編成の西船橋行を増発する。

この関係で37運用が設定される可能性が高い。39運用までできるかは不透明ではあるが。本数減をとって西船橋方面に列車を振った形になるか。

④京葉線

最後になったが京葉線のダイヤ改正について。正直筆者はこのダイヤ改正はダイヤ改”定”になりそうだと思う。それは何故か、詳細を見てみよう。

ダイヤ改正で、東京駅から蘇我駅間で一部の快速列車を各駅停車に変更するほか、運転本数もあわせて見直す。これにより、下り快速列車の運転時間帯に変更はないが、上り快速列車の運転時間帯は、18時台で終了となる。

「上り快速列車の運転時間帯は、18時台で終了となる」、これだけ聞くと「なんで?」と思うだろう。京葉線は住宅があまり多くなく、それに対し観光需要が大きい。葛西臨海公園から葛西臨海公園、舞浜から東京ディスニーリゾート、南船橋からららぽーとTOKYO-BAY、幕張豊砂からイオンモール幕張新都心、海浜幕張から幕張メッセ・QVCマリンスタジアム、蘇我からハーバーシティ蘇我・フクダ電子アリーナなどと沿線に大きな施設が多く、これらとの往来に京葉線が一役買っている。19時以降の上り快速全廃は今回の幕張豊砂駅開業による更なる観光からの帰宅需要への対応をとったものだと思われる。並行ダイヤにすることで混雑をならそうとしているようだが、もう少し良い対応は取れなかったものか。増便できないのかが少々気になるところだ。

特急系統は何も手を付けず。筆者も海浜幕張駅近辺は朝夕に利用しているが、停車駅設定のせいで特急の使い勝手が悪くなっている節があると聞く。平日ラッシュの新木場駅、休日の海浜幕張駅への全列車停車などの施策はなかった。せっかくの特急なのだから利用者にとって使いやすいような形態をとるべきだと思うが・・・。

今回、京葉線にとって一番の目玉であり、一番の悩みの種でもあることが、そう、幕張豊砂駅開業だ。
この駅は1990年頃から設置計画自体は存在していたが、バブル崩壊などの影響で開発が遅れ、2013年12月20日に開館したイオンモール幕張新都心へのアクセスのために新駅設置計画が出され、そのために幕張豊砂駅が設置される運びになった。駅周辺はあまり住宅はなく、商業施設やオフィスなどがメインである。

これが「京葉線にとって一番の目玉であり、一番の悩みの種でもある」理由は、停車列車の設定だ。何を隠そう、この駅に停車する列車は京葉線の各駅停車と武蔵野線直通のみ。なんと快速が全て通過する。平日だろうと休日だろうと快速が停車しない。少し前に筆者が休日だけでも快速を停めた方がいいと記したが、それに反する結果となった。海浜幕張駅の混雑緩和を目的とするのに幕張豊砂駅に快速を停めないのはどうなのかと思う。そのせいで、イベント輸送には役に立たない駅になってしまう可能性が高くなった。様子見だと思いたいが、是正されないものならなかなかにひどい認識を持っていると疑いたくなると筆者は考える。それよりも、まずは取り敢えず動静を見守ることからだろう。

⑤まとめ

今回のダイヤ改正は全体的に現実味を帯びた、合理化寄りの地味なダイヤ改正に落ち着くだろう。209系の成田空港乗り入れ増加や八街行新設に幕張豊砂駅開業のインパクトのある要素もあるが、多くは終電繰り上げや列車減便などの暗い内容である。ただ、これらによる悪影響が見受けられなければダイヤ改正は成功と言えるので、どうなるかを見守っていこうと思う。それでは、またどこかで。