
つ、ついに、あの近鉄がやったぞ!
今回の発表の概要
2021年10月8日、近鉄は、京阪奈向けの新型観光特急を2022年4月29日より運行開始する事を発表しました。今までは伊勢志摩方面や吉野方面には観光特急が運行されていましたが、京阪奈地区にも拡大するという事です。車両の愛称は「あをによし」となるようです。
運行区間・日程
午前9時30分ごろに大阪難波駅を発車し、一度近鉄奈良駅に向かった後折り返し、10時50分ごろに近鉄京都駅に着くダイヤで運用し、そのあとは京奈特急と同じルートで京奈間を2往復(京都11:20・13:20発、奈良12:10・14:10発)した後、15時20分に近鉄京都駅を発車し、朝と同じように近鉄奈良駅を経由し、16時40分に大阪難波駅に着くダイヤでの運行が計画されています。停車駅は、難波発、難波行共々、奈良線走行時は大和西大寺駅を通過(もしくは運転停車)する以外は特急停車駅と同じ(奈良線内:大阪難波、大阪上本町、鶴橋、生駒、学園前、近鉄奈良、京都線内:大和西大寺、近鉄丹波橋、近鉄京都)となっています。運行日は基本的に週6日となっており、ゴールデンウィークや、夏休みなどの長期休暇は毎日運行となっています。
車両面について
車両に関しては2021年2月に定期運用を終了した、12200系1編成(NS56編成:難波・京都←モ12256-サ12156-モ12056-ク12356)を改造して、19200系(難波・京都←モ19201-サ19351-モ19251-ク19301)となるようです。イラストを見る限り、床下機器などは流用する方針のようです

なお、12200系を改造した車両は他にもあり、あおぞらllこと15200系や、かぎろひこと15400系に続いて3形式目となります。
車両コンセプト
先述の通り、車両愛称は奈良の代名詞である「あをによし」で、車体色は、天平時代では高貴な色とされた紫(メタリックパープル)と天平紋様を全面的に使い、愛称ともども奈良を深くイメージしたものとなります。内装に関しては、乗った瞬間から奈良の歴史や文化を感じれる内装となっており、内装の一部には、正倉院に納められている宝物をあしらったものが使われています。同じく先述の通り、近鉄奈良で折り返して運行するため、転換を不要とした向かい合わせシートで、1、3、4号車は2人向けのツインシートで、2号車は3〜4人の利用を想定したサロン席となっています。また、2号車には軽食販売コーナーが設置されるようで、ここに来てスナックコーナー復活と言うような感じになっています。座席定員は84人と、12200系時代より1/3に減少しています。
まとめ&感想
コロナ禍明けを見据えると共に、京阪奈地区の観光客へ上質な移動空間を提供していく近鉄の姿勢に、沿線民としても感慨深いものですね。大和西大寺を経由する観光特急はしまかぜしかなく、新しい風を起こすと思っています。運行開始が待ち遠しいです。
個人的には、西大寺を通過(もしくは運転停車)する列車が設定されることに大変驚きました。記録のある過去の例で、しまかぜを利用したお召し列車は運転停車、一部のけいはんな線甲種輸送は通過と、訳わからないような感じになっていたので、余計面白く思っています。