ドレミファインバーター消滅
2021年6月25日、京急電鉄はドレミファインバーターを搭載した同社の新1000形が2021年夏に「歌い終える」(≒機器更新)ことを発表しました。1033編成はドレミファインバーターを搭載した最後の新1000形であったため、鉄道ファンからは驚きや悲しみの声が噴出しました。
ドレミファインバーターとは?

ドレミファインバーターとは、一般的にはドイツ・シーメンス社(ジーメンスともいう)製のGTO素子を利用したVVVFインバーターのことを指します。このインバーターの特徴として、電車が動き出す際に「ファ ソ ラ シ ド レ ミファ ソ♪」と音階を奏でることが挙げられます。このように「電車が歌う」のはなぜなのでしょうか。
「歌う」のはドイツ人エンジニアの遊び心
前述の通り、このインバーターはドイツのシーメンス社によって製造されました。通説では、このドイツのシーメンス社のエンジニアが遊び心で「励磁音」と呼ばれるノイズを「ファソラシドレミファソ♪」と聞こえるように調節したためだとされています。モーターが回る際に音声が聞こえる理由はYouTubeの「イチケン」チャンネルにて解説されています。ド文系の筆者にも理解できるほど、わかりやすく解説されており、とても参考になりました。
実は京急以外でもドレミファインバーターが使われていた!?

実は、京急以外でもドレミファインバーターが使われていた車両があったことをご存知でしょうか。JR東日本の紺直流電車のE501系です。主に水戸線などを中心に運用されている、この車両ですが、付属編成は2007年、基本編成は2012年までドレミファインバーターを搭載していました。現在は、東芝製のIGBT-VVVFインバーターに交換されましたが、この車両のドレミファインバーターは停車時にも「ソファミレドシラソ」というように下っていく音を聞くことができました。
最後に
以前から「なくなる」と言われていたドレミファインバーターですが、ついに、本当に、なくなることになってしまいました。のこり短いですが、実際に「歌う電車」に乗りに行くのも思い出づくりになるかもしれません。
アイキャッチ画像:経験豊富な童貞 様(@AIRPORTNarita17)提供