東北地方は北に向かうにつれて難易度が上がっていきます。この秋田県も例外ではありません。ですがここを押さえておけばのちの岩手攻略や青森攻略はぐっと楽になります。気を引き締めて攻略に挑みましょう。なお今回は岩手県と青森県の一部区間も含めて攻略します。

情報整理

推奨出発駅

  • 一ノ関
  • 新青森
  • 秋田

県内通過路線

  • JR…奥羽本線、羽越本線、田沢湖線(秋田新幹線も含む)、北上線、花輪線、五能線

県内完結路線

  • JR…男鹿線
  • 第三セクター…由利高原鉄道、秋田内陸縦貫鉄道

日帰り不可能エリア

  • なし(全エリア日帰り可能)

必要日数(泊数)

  • 3日、宿泊の場合は2泊3日

※山形攻略で攻略済みの路線は経路で使わない限り省略とする

攻略の流れ

意外と盲腸線は少ない、だが少々きつい路線も

秋田県は本州の中では比較的路線建設が遅かったこともあって、路線の数はそこそこです。盲腸線も男鹿線と由利高原鉄道くらいしかありません。ですが新幹線利用でも飛行機利用でも4時間かかるのがネックになって少々急ぎ気味で攻略しないと間に合いません。気を抜かずに攻略していきましょう。

一日目・一年間のピンチヒッター

一日目は少々遅めに上野毛を出て、お昼過ぎの一ノ関駅からスタートです。東北本線盛岡方面に乗り換えて、北上線との分岐点北上まで向かいましょう。北上線は0番線から発車します。おそらくこの時間だと快速に乗れるはずですが、快速とか言ってる割には3駅しか通過せず、各駅停車とたいして所要時間は変わりません。とりあえず先に来た方に乗り換えて横手に向かいましょう。黒沢駅から秋田県となり、この駅から快速運転を行います。

冬季は停車しない駅も…

この北上線は、地方路線にしてはそこそこ線形がいいことから、盛岡から大曲までを結ぶ田沢湖線が秋田新幹線との直通による改良工事の際、当時同線で走っていた特急たざわの代替列車が運行されたことがあります。その名は秋田リレー。キハ110の特注車を利用した、JR東日本単独では唯一の気動車特急列車です。秋田新幹線が開業するまでの一年間、北上線は盛岡と秋田を結ぶバイパス路線としてその使命を全うしました。今でも有事の際のバイパスルートとして設定されており、寝台特急や貨物列車が良くこの路線を迂回しています。

秋田リレー専用車だったキハ110系200番台、今はもっぱら飯山線の運用に着く

列車はほっとゆだ・黒沢を通過して、奥羽本線横手駅に到着します。ここからは奥羽本線で秋田に向かい、秋田から男鹿線の列車に乗り換えます。男鹿線は秋田の三駅先、追分から分岐するのですが基本的にずべての列車が秋田駅に直通するので余計な乗換えを挟みません。男鹿までだいたい片道一時間くらいなのでサクッと往復しましょう。

この車両、実は九州のBEC819系と同一仕様なのだとか

男鹿から秋田に戻ってきたら秋田新幹線に乗り換えて田沢湖線を盛岡まで一気に通過しましょう。田沢湖線が大曲駅に新庄方面を向いて入線する関係上、秋田新幹線は同駅で方向転換を挟む事になります。新幹線車両がスイッチバックをする光景は大曲でしか見られない特別なものでしょう。田沢湖を超えて赤渕駅を通過すればもう岩手県です。そのまま盛岡に直通して東京に帰りましょう。これで一日目は終了です。

これだけ見ると標準機私鉄の車止めみたい

二日目・「乗って楽しい」第一号

二日目は昼過ぎの新青森から。この攻略は必ず休日に行ってください。新青森から弘前経由の五能線直通快速、リゾートしらかみ4号に乗車して、一旦弘前を回ってから五能線を乗り通しましょう。快速列車とありますが弘前から東能代までおおよそ3時間半乗り通します。ほぼ丸一日この路線に費やすと思ってください。

リゾートしらかみくまげら編成

五能線は、その名の通り五所川原と能代を結ぶために建設された路線です。川部から五所川原の区間は陸奥鉄道という別の会社が先に開通していたので五所川原から建設となりました。のちにこの区間は国鉄に編入されて今に至ります。ほぼ全線にわたって日本海に面した沿岸部を走り、車窓には美しくも厳しい日本海が四季折々の姿を見せてくれます。

白神編成

その五能線をより楽しんでもらうために設定された臨時列車が、今乗車しているリゾートしらかみです。登場当初この列車はノスタルジックビュートレインという名で、ディーゼル機関車がのんびり客車を引いて走る客車列車だったのですが、予想を上回る好評の為輸送力増強と増便を決定した際に、キハ40を改造した気動車列車となりました。ちょうど秋田新幹線が開通した頃だったこともあり大盛況となりました。

橅編成

この成功体験から、東日本は各エリアに同じような「乗って楽しい列車」を走らせるようになり、地域振興に一役買っています。その人気ぶりからついに専用のハイブリッド新型車両が導入されることになり、2019年までにすでに2編成が従来の白神、橅編成を置き換えて活躍しています。ですがくまげら編成だけはいまだキハ40のままなのでうまく接続すれば乗ることも可能です。

普通列車の方のキハ40。ついにGVに置き換えられて余命いくばくか

リゾートしらかみで日本海をたっぷり堪能して、岩舘から秋田県に入り、東能代に到着しました。列車は秋田へそのまま直通するので降りずにそのまま向かい、秋田新幹線に乗り換えて東京へ戻りましょう。これで二日目は終了です。

三日目・謎のスイッチバック

三日目も新青森から。新青森からは奥羽本線の快速列車に乗り換えて弘前まで下ります。大舘方面の列車が来るまで30分くらいありますので飯でも食って時間を潰しましょう。弘前中央から大鰐まで弘南鉄道で先回りしてもいいのですが時間も合わなさそうなので今回はパスします。陣場駅から秋田県に入って大舘に着いたら、そのままこ線橋を渡った先の花輪線に乗り換えて岩手県の好摩駅を目指しましょう。兄畑駅からが岩手県です。

大鰐線経由とか物好きでも使わんわ

さてこの花輪線は、別称として十和田八幡平四季彩ラインとまあごちゃごちゃな愛称がついておりますが、その名の通り十和田周辺や八幡平などの景勝地を貫きながら岩手と秋田を結ぶ路線です。田沢湖線が改軌してからは、同じく岩手と秋田を結ぶ北上線とともに有事の際の迂回路の一つとして設定されているのですが、できればJRはあまりこの路線をう回路では使いたくはないようです。

大舘よりも花輪線東大館のほうが市街地に割と近い

なぜならこの路線、なぜか途中の十和田南で山も坂もないのにスイッチバックする構造になっているためです。これはかつて、同じく大舘駅から分岐していた小坂鉄道の小坂駅につなげるための準備として、この通り小坂へつなぎやすく建設したのですが、結局この区間に路線は建設されず、小坂鉄道も廃線となって今に至ります。その名の通り十和田湖の最寄り駅…のはずなのですが、バス路線はありません。十和田湖方面に向かうには少し下った鹿角花輪からデマンドタクシーに乗る必要がありますが、ここから乗るくらいなら新青森からJRバスで回ったほうが早いです。

基本プラグドアの東北キハ110の中でこの路線だけなぜか普通のドア

地味だけど知れば知るほど沼にはまる花輪線を乗り通していたらいつの間にか好摩駅に着いたようです。好摩駅からはIGR岩手銀河鉄道となるので盛岡までの運賃を別途払うことになります。18切符特例はありません。おとなしく660円を払って盛岡に向かい、新幹線で東京へ帰りましょう。これで三日目は終了です。

四日目・鉄建公団とマタギの里

四日目も昼過ぎの秋田から。日本一寂しい列車と言われている特急つがるに乗り換えてまずは大舘へ向かい、奥羽本線の秋田県内未乗区間を乗りつぶします。大舘からは普通列車で折り返し、鷹ノ巣まで戻りましょう。鷹ノ巣からは連絡改札経由で秋田内陸縦貫鉄道に乗り換えてJRとは別のルートで角館へ向かいましょう。おそらくこの時間帯なら角館に直行する急行もりよし号に乗れるはずです。

ごくごくたまにJRにも乗り入れるAN2000系。

この路線はもともと鷹ノ巣から角館までを途中のマタギの里、阿仁合を経由して結ぶ鷹角線として計画され、1963年までには鷹ノ巣から比立内まで先行開業にこぎつけました。8年後、角館側もいつもおなじみ鉄建公団が松葉駅まで延伸させて、残りの区間も建設が進んでいました。しかし、いつもの流れで国鉄再建法で建設は凍結、そして先行開業した路線も特定地方交通線認定されて、あわや廃止の危機に陥ってしまいました。

車窓からは有名な田んぼアートも見ることが出来る

しかしせっかくこぎつけた建設を何としても継続させるべく、地元住民たちは隣県の三陸鉄道と同じ第三セクター方式で両線を三セク転換し、建設を継続させてようやく悲願の秋田内陸縦貫線を開通させたのです。三陸鉄道よりも人口が少ないにもかかわらず、全通にこぎつけたそのマタギ譲りの根性には敬服します。そして開業後少しでも客を呼び込むため上記の急行列車の運転や、海外のドラマへのロケ地提供などで地道に企業努力を続けて今に至ります。

カラフルな車両がマタギの里を走り抜ける

鉄建公団線はやはり優等列車でかっ飛ばすに限ります。地方三セクらしからぬ急行列車の走りをたっぷり堪能したらいつの間にやら角館駅に到着していました。もうすることもないので秋田新幹線に乗り換えて東京へ帰りましょう。これで四日目は終了です。

五日目・消化試合

五日目は上野毛を始発で出て新潟からスタートです。秋田の未乗路線は路線はあと一つだけです。せっかくなので一筆ルートで向かいましょう。新潟から秋田直通のいなほ1号に乗り換えて酒田を超え、秋田県の羽後本荘駅で下車します。羽後本荘からは由利高原鉄道が矢島まで出ておりますのでサクッと往復しましょう。この時間帯は矢島駅で一時間半ほど待たされるので、近くの売店で昼飯でも食べて時間を潰しましょう。

多分めっちゃ攻略しづらい路線だと思う

矢島到着時点で秋田県は完乗です。羽後本荘に戻ってきたらまた一時間ほど待たされて羽越本線で秋田へと向かいます。この時点でまだ乗り残している路線が合ったら少しだけでもいいので乗っておきましょう。そうでなければゆっくりお土産でも選んどいてください。やることが全て終わったら秋田新幹線で東京へ帰りましょう。これで五日目は終了です。

攻略に役立つお得な切符(goto関連は除く)

※18切符以外のフリー切符名をクリックするとリンク先に飛びます。

  1. あきたホリデーパス(冬季限定の土休日と特定期間の毎日)
  2. 五能線フリーパス(通年)
  3. 青春18きっぷ(春夏冬期の期間限定)

1は秋田県内の鉄道が乗り放題の冬季限定のフリーパスです。四日目と五日目に有効です。第三セクター線にも乗れるほか、別途特急料金を払えばいなほやこまち、つがるにも乗車することが出来ます。冬季に秋田を攻略するときに利用しましょう。

2は五能線全線と奥羽本線秋田ー東能代、弘前ー青森間が乗り放題のフリーパスです。2日目に役に立ちます。18切符シーズン外の時に五能線を攻略すると片道5千円以上はかかるのでこの切符を買ったほうがお得です。いちおう特急料金を払えば特急つがるにも乗車できます。

4はJR各社が販売している期間限定のフリー切符です。特急つがるの新青森ー青森間以外はこの切符では特急・急行及び第三セクター線には乗れません、別途乗車区間の運賃と特急、急行料金が必要です。なお花輪線に乗車の際、好摩から盛岡までは18切符特例はありません。車掌が検札に来た際に申し出て、660円を精算しておきましょう。

奥羽本線の顔

おことわり・連絡先

今回ご紹介した日帰り攻略法は、あくまでもミシンロボの経験に基づいたものとなっております。この方法を実践して何らかの被害を被った場合でも当記事及びミシンロボは一切責任を負いません。また、攻略目標路線の中には様々な事情で運休になる可能性もございますので、攻略に行く際は、各鉄道会社の公式サイトなどでの運行情報の確認をお願いいたします。

当記事内に誤字脱字がみられる、記事の情報が更新されている等のお気づきの点がございましたら、プロフィールに記載されてあるミシンロボのtwitterアカウントまで連絡お願いします。なるべくDMでお願いいたします。また、誹謗中傷目的などの悪質なDMはおやめください。

日本一寂しいとは何事か

関連攻略記事

※県名をクリックするとリンク先へ飛びます

東北地方

秋田駅東口外観