JR東日本の決算説明資料を見ていると、非常に興味深い記述を発見しました。なぜなら、その文章がまるで、今までのJR東日本のやり方から完全に転換するような内容だったからです。

従来の車両導入の考え方を大きく変更

JR東日本2021年3月期 決算説明会資料より

こちらは、2021年3月期の決算説明会の資料です。「車両取り換え周期の精査」と書かれた部分をご覧ください。「延命工事等により安全を確保した上で、車両の取り換え時期を長期化」と書かれています。この記述は、JR東日本が民営化以降とってきた、「走るんです」シリーズの設計思想や、「早期引退」などの運用思想を否定するものと考えて差し支えないと思われます。また、「同一線区で長く活用」とも記述があり、211系や209系、205系、E231系などで行われた転用改造を今後は行わず、初期に投入された線区でずっと使用し続けるという趣旨であると考えられます。では、なぜ民営化以後継続されてきた方針・思想を大きく転換するのでしょうか。

コロナによる経営危機、鉄道営業費削減が目的か

JR東日本では、従来から、鉄道事業による収益と、非鉄道事業による収益の割合を「5:5」にすることを目標をしています。その中で、収益を上げるためにかかるコスト、すなわち「営業費」を削減するのは、利益率を上げるために必要なことです。

JR東日本2021年3月期 決算説明会資料より

実際に、今回の決算説明会に資料にも、鉄道事業のオペレーションコスト(営業費用)をコロナ前(2019年度)に比べて1000億円削減すると記載されています。今回打ち出された新しい設計思想は、この目標を達成するための一つの手段であると考えられます。また、同資料には、「保有車両の削減」や「複数線区での車両協通運用」、「ワンマン運転線区の拡大」などの方針も盛り込まれており、JR東日本の本気度がうかがえます。一方、人員削減は労働組合などからの反発も予想され、実現は一筋縄ではいかなさそうです。

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ネット上では様々な憶測

当サイトの代表者が、Twitterにこの資料を掲載したところ、いいね数が1000、RT数が600を超え、大きな反響を得ました。このことから、鉄道ファンの大きな注目が集まっているということがわかります。引用RTやリプライには、「JR東日本がJR西日本化するのでは」、「E233系が仙石線に転属する話どうなる」、「京浜東北線にワンマン運転対応の新車を導入する話はどうなるのか」といったJR東日本が今後どのように車両を運用していくのかという反響が寄せられました。この車両の運用計画に鉄道ファンの注目が今、大きく集まっています。