東北の中心で、杜の都仙台を抱える宮城県も日帰り可能です。福島山形の時にほとんど攻略しちゃったからもう攻略する所そんなに無いし楽勝じゃないかって?とんでもない、むしろ大変なのはここからです。なお今回は岩手県の一部の区間も含めて攻略します。

情報整理

推奨出発駅

  • 仙台
  • 一ノ関

県内通過路線

  • JR…東北新幹線、東北本線、常磐線、仙山線、陸羽東線、大船渡線(BRT区間も含む)
  • 第三セクター…阿武隈急行

県内完結路線

  • JR…石巻線、仙石線、仙石東北ライン、利府支線、気仙沼線(BRT区間も含む)
  • 私鉄・第三セクター…仙台市地下鉄、仙台空港鉄道

日帰り不可能エリア

  • なし(全エリア日帰り可能)

必要日数(泊数)

  • 3日、宿泊の場合は2泊3日

※山形攻略、福島攻略の時に乗車済みの路線は経路で使わない限り省略する。

攻略の流れ

立ちはだかる魔のBRT区間!18切符を必ず用いよう。

ちょうど10年前に東北を襲った東日本大震災は宮城県にも尋常ならぬ被害をもたらしました。特に気仙沼線の大部分と大船渡線の気仙沼以東は、BRTとして運行再開したものの、結局鉄道路線としては復活しませんでした。そしてこのBRT区間こそ今回の最難関区間。鉄道よりも所要時間が遅くなったうえ、大船渡線に至っては大した本数もないのに系統が三つも分かれています。このエリアの攻略には丸一日かかるものだと思って覚悟しておいて下さい。

一日目・バスで行く!鉄建公団線

一日目は杜の都仙台からスタートです。まず東北本線で小牛田へ向かい、石巻線に乗り換えましょう。石巻線を前谷地まで進んだら気仙沼線に乗り換えてください。時間帯によっては柳津までの直通便がありますのでそれを使いましょう。さて柳津に着いたはいいのですがここから気仙沼線はBRT区間となります。BRTは全て気仙沼まで直通しますのでそのまま乗り変えましょう。

このBRT、なんとSuicaが使える!

もともと柳津まで先行開業していた路線を伸ばす形で、1977年には柳津ー気仙沼間が開通しました。もちろん建設したのはあの鉄建公団です。気仙沼まで鉄道で行けた時代は、そこそこいい線形というのも相まって仙台から直通の快速列車、南三陸号が2時間ちょっとで結んでいました。震災後、東日本は運休を長引かせるのは住民への負担になる(本当は赤字路線を体よく切りたいだけ)と判断し、JRでは初めてのBRT方式で大船渡線被災区間とともに仮復旧し、現在に至ります。鉄建公団AB線規格で作られた路盤をほぼ半分の区間で流用していますので、バスにしてはそこそこ高速で走ります。

二車線も幅がないため、所々に待避所がある

鉄建公団線規格をバスで軽快に通過すること2時間、気仙沼駅に到着しました。この時点でお昼過ぎだと思うので飯でも食ってから攻略を再開しましょう。ここから大船渡線BRT区間に乗車するのですが、同線はBRT化にあたって三つの系統に分かれました。一つ目は従来通り陸前高田を経由して大船渡、盛方面に向かう系統、二つ目は気仙沼から陸前矢作に向かう系統、そして三つ目は気仙沼から鹿折唐桑を経由して上鹿折に向かう系統です。今日はまずこの三つ目の上鹿折系統に乗車します。

ミヤコーバスは改札を出た道路沿いから出ているので注意!

実はこの系統だけJRではなく、近くを走るミヤコーバス鹿折線が担当しています。(時刻表)そのため気仙沼、鹿折唐桑から上鹿折まで乗る場合に限りJRの運賃で乗車できます。(18切符も使えるらしいのですが、運転手に面倒がられるのも嫌なのでおとなしく切符か現金で乗車を推奨です。往復420円くらい払え)上鹿折までは往復二時間もかかりませんのでサクッと往復しちゃいましょう。ですが気仙沼には戻らず鹿折唐桑で下車します。ミヤコーバスとBRTの停留所は別の場所にありますので注意してください。(ルート地図←なぜか遠回りで案内されていますが普通にまっすぐ向かえます)

こんな気味悪い所夜に来ちゃだめだぞ!

鹿折唐桑から大船渡線BRTに乗りかえて陸前高田に向かいましょう。バスは盛まで向かいますが今回はあくまでも宮城県攻略がメインなのでそこから先は岩手県攻略の時にまた来ましょう。陸前高田は鉄道路線が無いのにみどりの窓口がある不思議な駅です。昔風にいえば「バス駅」でしょうか。ついでにここで帰りの新幹線の切符でも買いましょう。一時間ほど待って気仙沼に戻るバスに乗り換え、気仙沼から大船渡線の鉄道区間で一ノ関に向かいましょう。とはいえ新月からすぐに岩手県に入ります。

この区間だけ生き残った。事実上の盲腸線である。

大船渡線は我田引鉄、という言葉の発祥の地とされるくらい、奇妙な線形をしています。路線図を見ると千厩から陸中門崎の区間だけ、丁度凸の形で猊鼻渓、摺沢を経由しているのが分かります。これは大船渡線建設当時の地元政治家が自分の票田に線路を引こうと好き放題やった結果です。この線形のせいで列車より遅いはずの並行バス路線と所要時間がたいして変わりません。あまりにも奇妙過ぎるその線形から、いつしかドラゴンレールと名付けられた大船渡線、震災前まではその名前を冠した快速、スーパードラゴンも走っていました。政治家のおもちゃにされた心情に同情していたらいつの間にか一ノ関に着いたようです。

この一ノ関駅までが仙台支社の管轄。

一ノ関からは小牛田までの東北本線未乗区間を乗り通しましょう。普通なら石越から宮城県区間だと思いそうですが、一ノ関の隣の有壁駅だけ宮城県に属しています。県境をジグザグしながら列車は小牛田へ向かい、同駅からは古川まで陸羽東線に乗り換えましょう。山形攻略の時に乗り残した区間を乗りつぶします。古川に着いたらそろそろ帰らないとやばいので新幹線で東京へ帰りましょう。古川発の東京行きやまびこは21時31分が最終です。これで一日目は終了です。

二日目・杜の都の鉄道事情

二日目も仙台から。仙石東北ラインに乗り換えて一路石巻を目指しましょう。東北本線と石巻線を結ぶ仙石東北ラインは、東北本線松島駅の直前から分岐する短絡線から仙石線高城町方面へ直通します。仙台から松島駅直前の分岐点までは東北本線、石巻から高城町までの区間は仙石線です。その間を結ぶ300mの短絡線こそが仙石東北ラインの独立区間です。でもそんなことお客は分かる訳ないので仙台から東北線経由で石巻に向かう路線系統をすべて仙石東北ラインと呼んでいます。そんなことを語っていたら石巻に着いたようです。

こいつなかなかの韋駄天である。朝夕の一往復だけ女川まで直通するとか

石巻から女川まで往復で一時間もかかりませんが石巻で少々待たされると思います。女川までサクッと往復したらそのまま石巻から前谷地までの残りの未乗区間を通過し、小牛田へ向かいましょう。小牛田からは再び東北本線に乗り換えますが仙台まではいかずに、松島駅で降りてください。先ほどの高城町駅と松島駅は徒歩圏内にありますので高城川を渡って徒歩で向かいましょう。(ルート地図)高城町からは仙石線経由で仙台に戻りますが仙台市地下鉄に乗るため、仙台を超えてあおば通り駅まで向かいましょう。

地元の有名漫画家にあやかった仙石線マンガッタンライナー。

仙台市地下鉄の仙台駅はJR仙台駅からは少し遠すぎます。その長すぎる接続を埋めるのと当時仙石線を地下鉄東西線に直通させる構想があったためその先行として仙石線はあおば通駅まで延伸しました。ですがやはり震災後の影響で仙台市は予算を縮めねばならなくなったので、直通計画は白紙となりました。まあそんなことは置いといて地下鉄東西線に乗り換えてまずは荒井駅まで向かいましょう。荒井駅から折り返しますが仙台では下りずにそのまま八木山動物公園まで乗り通します。この駅は日本の地下鉄駅としては標高が一番高いそうです。まあそれはそれとして改札を出たら仙台市営バスでJR長町駅へショートカットしましょう。(時刻表←八木山動物公園~長町東口のバス)

地下鉄の画像は例によってまた撮ってないんだ…

長町に着きましたがJRではなく地下鉄南北線に乗ってください。富沢駅までの区間をサクッと往復したらその足で北の終点泉中央まで乗り通しましょう。和泉中央から仙台までは折り返さずに、北仙台で仙山線に乗り換えて仙台に戻ります。飯でも食べたら新幹線で東京へ帰りましょう。これで二日目は終了です。

三日目・消化試合・利府線、理不尽ルート替え

三日目は仙台ではなく岩手県の一ノ関からスタートです。はやぶさは基本仙台ー盛岡間はノンストップですが盛岡止まり全便と新青森止まりの一部のはやぶさはこの区間の数駅に停車します。その中には一ノ関駅も含まれているので盛岡止まりのはやぶさで向かいましょう。ついでに古川から一ノ関までの未乗区間も乗っておきます。

これは盛岡支社の701系

一ノ関からは在来線でも戻ってよいのですが単純往復になってしまいますので嫌な人は高速バスで仙台に戻っても構いません。(時刻表)とにかく仙台に戻ったら、名取から分岐する仙台空港鉄道直通便に乗り換えて仙台空港までサクッと往復します。やはり単純往復が嫌な方は仙台駅直行のエアポートリムジンに乗っても結構です。(時刻表)とにかく仙台に戻ってきたら今度は岩切に向かい、同駅で30分待って利府支線に乗り換えて利府までの区間をサクッと往復します。

仙台空港線は、仙台で一番最初にE721系が導入された線区でもある

かつて東北本線は仙石線と並行する塩釜・松島ルートではなく、岩切から利府を経由して小牛田に向かうルートでした。ですがこのルートは勾配がきつく、当時の機関車では上るのに一苦労でした。そこで、遠回りだが比較的緩やかな塩釜・松島ルートがメインルートに切り替えられ、旧線区間は廃止になる予定でしたがそれは理不尽と住民からの猛反発を受け、現在の利府支線こと利府から岩切まで残されて現在に至ります。なお途中の新利府は新幹線総合車両センターの最寄り駅です。なお利府到着時点で宮城県は完乗です。もうやることもないので仙台に戻り、新幹線で東京へ戻りましょう。これで三日目は終了です。

攻略に役立つお得な切符(goto関連は除く)

※18切符以外のフリー切符名をクリックするとリンク先に飛びます。

  1. 週末パス(土休日の連続二日、通年)
  2. 小さな旅ホリデー・パス(土休日及び特定の期間、通年)
  3. 仙台まるごとパス(連続二日、通年)
  4. 青春18きっぷ(春夏冬期の期間限定)

1は東日本の土休日限定のフリー切符です。すべての行程で大いに役立ちます。上記のバス路線と東北本線小牛田以北、気仙沼線、大船渡線、東北新幹線古川以北以外の路線ならどれでも乗り放題です。別途特急券を購入すれば特急・新幹線に乗車することも可能です。なおこの切符は旅行開始日の前日までの販売となっています。前もってみどりの窓口などで購入しておきましょう。

2はJR仙台近郊区間限定のフリー切符です。すべての行程で役に立ちます。上記の路線の内、新幹線と大船渡線以外すべて乗り放題エリアに入っております。あくまでも仙台近郊を有効範囲にしているため路線によっては少々中途半端な駅までしか乗ることが出来ません。(地図要確認)

3は仙台市内周辺エリアが乗り放題のフリー切符です。二日目と三日目で役に立ちます。仙台市地下鉄全線と周辺路線バス、周辺JR線・仙台空港鉄道線が乗り放題です。二日目と三日目を連続して攻略するならこの切符を使ったほうがお得でしょう。

4はJR各社が販売している期間限定のフリー切符です。この切符では特急・急行及び第三セクター線には乗れません、別途乗車区間の運賃と特急、急行料金が必要です。この切符で上記のBRT区間も乗車可能ですが、余計なトラブルを避けるため、鹿折線区間はこれで乗るよりも普通に運賃・切符で乗ったほうが得策でしょう。

密になるくらい客がいたら線路のまま残っていたのでは?

おことわり・連絡先

今回ご紹介した日帰り攻略法は、あくまでもミシンロボの経験に基づいたものとなっております。この方法を実践して何らかの被害を被った場合でも当記事及びミシンロボは一切責任を負いません。また、攻略目標路線の中には様々な事情で運休になる可能性もございますので、攻略に行く際は、各鉄道会社の公式サイトなどでの運行情報の確認をお願いいたします。

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小牛田に行くといつも曇ってる気がする

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